『頼りになる主任』
週の中ごろから出始めた週末の雪予報。年末から年明けにかけてエルニーニョ現象の影響か寒さを忘れるような暖冬が続いてスッカリ安心し切っていたが、1月17日にまとまった降雪があると次々と寒気が到来。例年通りに天気予報に一喜一憂する日々に。1回中山開催こそ無事に終了したもののもっと厄介なのが今、開催中の1回東京。時期的に寒さが厳しいのは当然として都心に比べて僅かでも低い多摩地区の気温が災いして代替開催になることが度々。幸いにして開幕週は最大の不安だった金曜夜の気温が下がらずに雪ではなく雨になったお陰で最悪の事態は免れた。だが、あと3週が果たして無事に済むのかどうかまだ分からない。あの2年前のように。
2週連続の大雪に見舞われて計4日間の中止という前代未聞の事態が発生、当日の競馬が中止でも我々の立場からすると翌日分の新聞発行は予定通りに。業務としては実質的に2週間休みなしの状態。更に私個人の事情で言えばちょうどその開催を通してグリーンチャンネルの勝ち馬リサーチャーという番組で出演の機会を頂いて主任研究員という立場に。通常であれば土曜の競馬が終了した後に日曜のレースの展望をするはずなのだが、開催が延期されるとその都度、番組を収録するということで多いときには土、日、月曜の3日連続で出番が回ってきた。出演させて頂けるのは有り難いことだが、競馬場で業務をこなしてから雪の中を門前仲町のスタジオへの移動。当然、電車はダイヤ通りには動かないし、ただ、歩くだけでも四苦八苦。できるだけ的確な予想と情報の提供をと心がけていたが、今になって思えば何とかこなしたという記憶しかない。
後になってスタッフの方たちとも笑って振り返ることもある出来事だが、悪夢といえば悪夢。その恐怖の1回東京の勝ち馬リサーチャーで今年の主任研究員を務めているのが弊社の後輩、山下健TM。今年で入社7年目。大学を卒業後は一旦、水産関係の業界紙に身を置き、我が社を訪ねてきたのだが、見た目には小柄で頼りなげに映ることもあるが、意外に芯はしっかりして仕事も馬券もシビア。編集業務が主体だが、水曜朝は美浦の北馬場に姿を見せ、調教と得意の障害騎手への取材もこなしている。特に障害レースに対するこだわりは強く、私も常々に参考にしているほど。1月30日の番組では根岸Sのモーニンは当然のこと、シルクロードSはローレルベローチェ、勝負レースでは中京の障害戦でホーカーテンペストを推奨し、見事にパーフェクト予想を達成した。当日版の新聞では最終レースのコラムを担当して驚くような穴馬を見つけることも度々。まだ雪の不安が残って寒さも厳しい日が続くが、頼りになる主任の予想に注目して下さい。
美浦編集局 田村明宏
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