『競馬の祭典JBC』
GT真っ盛り。この1週間はとりわけ華やかで、11月2日(日)には東京競馬場で天皇賞(秋)が、翌3日(祝・月)には盛岡競馬場でJBCクラシック、JBCスプリント、JBCレディスクラシックのGT・JpnT計4競走が行われる。 地方競馬を網羅した競馬情報番組「KBS競馬展望プラス」に出演させていただくようになって地方交流重賞を予想することが増えた。司会の赤見千尋さんによるレース紹介、各競馬場のコースの特徴、傾向は初心者にとても分かりやすく、1頭1頭に対するコメントも愛情にあふれていて、聞いているうちに競馬場にも馬にも親近感が沸いてくる。今年は同番組のほかにもJBCの3競走を解説する機会に恵まれ、馬券検討にいっそう熱が入った。JBCについて、ちょっとお話してみたい。
まずは盛岡競馬場のダートのコース形態から。左回り、1周1600m。地方競馬としては大井競馬場、門別競馬場に並ぶ最大サイズで、直線は大井、門別より短い300m。コーナーはゆるやかで、ダートコースの高低差4.4mは地方競馬最大でJRAの中山競馬場と同じ。3〜4コーナーが丘になっており、3コーナーを頂点にして4コーナーまで一気に4.4mを下る形状。直線にも上り坂がある。赤見さんいわく、脚質は「先行有利」。下りで加速がついた先行馬の勢いは直線でも衰えず、そのまま押し切るレースが多いようだ。興味のある方は「OROパーク盛岡競馬場ガイド 岩手競馬」→「コース紹介」をご覧ください。http://www.iwatekeiba.or.jp/hp/g/oro/oro_07.html
JBCクラシックは連覇の多いレース。持ち回りでの施行で開催競馬場は毎年違い、距離も若干異なるが、アドマイヤドン(02〜04年)、タイムパラドックス(05、06年)、ヴァーミリアン(07〜09年)、スマートファルコン(10、11年)が複数年にわたってこのレースを制している。昨年の覇者ホッコータルマエが注目されるところだが、3月のドバイワールドカップ以来の実戦となるのがポイント。休養前は結構なヘビロテで、そんななかで力を発揮してきたタイプだけに、このブランクがどう影響するかだろう。坂路の調教タイムはいい頃に数字に及ばないが、見た目に重苦しさはなく、時間をかけ、じっくり調整を積んで態勢を整えたきたという印象。ベテラン・ワンダーアキュートに加え、急成長を遂げる4歳世代が強敵だ。 JBCスプリントはまずノーザンリバーが有力候補の1頭。まだ大きなタイトルはないが、この1年間、中央地方を問わずにダートの短距離(特に1200m)で安定している。左回りより右回りに良績が多い点、盛岡にコースが替わって先行有利になったときがどうかだろう。これまで盛岡は1走経験があり13年8月の同じ1200mクラスターカップで3着だった。興趣盛り上がる高松宮記念馬コパノリチャードの参戦。昨年はドリームバレンチノが初ダートで2着入線を果たしており、芝のスプリント戦線からの参入馬には十分な注意がいる。前走のスプリンターズSは休み明けのうえに2、3完歩目に躓いて自分の型に持ち込めなかったが、スムーズならダートでもハナに行けるのではないか。気になるのは父ダイワメジャーの産駒からダートの大物が出ていない点。JRAでダートの1600万以上の高額条件の勝ち鞍がない。 JBCレディスクラシックはワイルドフラッパーに逆らえないムードがある。怖いのはアクティビューティ、サンビスタよりも、未対戦の馬。JRAの1600万を勝つだけの力があれば、牝馬限定の地方交流重賞で勝ち負けになるケースが多々見られ、トロワボヌール、ブルーチッパーあたりが馬券に絡んでくれば好配当につながる可能性がある。
アルテミスS、スワンS、天皇賞(秋)、JBC3競走と今週は忙しいですね。
栗東編集局 山田理子