・アサカディフィート ・エアシェイディ ・グラスボンバー ・サイレントプライド ・シルクネクサス
・アドマイヤオーラ ・エイシンデピュティ ・キンシャサノキセキ ・サクラメガワンダー ・ディアデラノビア
12月24日、月曜日。目が覚めたらもう昼になっていた。ベッドに潜り込んだのが日付けが変わる直前だったから丸12時間は眠り続けた計算になる。まるで幼児レベルの睡眠時間だと笑われそうだが、疲労が極限にまで達するといつもこうして眠り続けて消耗した体をもとに戻すのが私の特技のひとつである。しかし、今日の場合はこれだけ寝てもまだそれなりの疲労感が残っていた。振り返ってみればいろんなことがあったこの2007年。実にタフな一年でもあったが、たくさんの人に支えられ、たくさんの人の力を借りることでどうにか乗り越えられたというのが偽らざる心境。交流のあった人々に対する感謝の気持ちを忘れないようにしたい。
今年いちばんキツかったのは馬インフルエンザ発生に伴う騒動。開催が突然中止となり、先の見えない不安がサークル全体を支配した。JRAは出馬投票馬の全頭検査を実施して陽性馬を競走から除外することで開催を再開したが、競馬そのものが存亡の危機に直面したといって過言ではない出来事だった。「日に何回も診療所と厩舎を往復して、馬もワシらも朝から晩までドタバタした。でもな、大変だったのは馬の世話をする我々だけやない。一日に何百頭もの競走馬を次々に検査せないかん獣医さんやその助手連中はもう目が引っ込んで頬がこけとった」と知人の厩務員さんが話していたように、人海戦術でなんとか窮地を乗り切れたもの。関係者の方々、ほんとうにご苦労さま。皆さんの頑張りがあったからこそ早期に開催が再開できたのです。
自分のなかで達成感があったのは秋に宇都宮の競走馬総合研究所まで出向いて週刊競馬ブックの連載企画をまとめられたこと。“競馬ファンにとって教科書ともなりうる学術的でなおかつ親しみやすいものを掲載したい”とする当方のコンセプトと“競馬の奥深さ、愉しさをより多くの人に理解してもらうことで競馬人口を増やしたい。各地で講演するだけでは限界があるのでメディアの協力が欲しい”とする研究者の方々の思惑とが合致。新年からの連載が決まった。詳細については12月24日発売の金杯号をご覧いただきたいが、この『競走馬の心技体』はファンの方だけでなく、競馬に携わる人間すべてにとって必見の企画と考えている。
この原稿を書き終えると今年の業務はすべて終了する。これから一週間ほどは頭を空っぽにして酒と音楽にでも浸ろうかと考えているが、その前に型通りのご挨拶を。当日版、週刊誌、及び携帯サイト、Webサイトも含めた競馬ブックの愛読者の皆様、一年間ご利用いただきありがとうございました。新たに訪れる2008年が皆様にとっても競馬にとっても素晴らしい一年になるよう心からお祈り申し上げます。なお、このコラムの次回の更新は1月9日となりますので、どうぞご了承ください。
競馬ブック編集局員 村上和巳
◆競馬道Onlineからのお知らせ◆ このコラムが本になりました。 「トレセン発 馬も泣くほど、イイ話」⇒東邦出版HP