・アドマイヤフォース ・エイシンパンサー ・エフティマイア ・ショウナンアクロス ・タケショウオージ ・タケミカヅチ ・メイショウヨリトモ ・メジロアリス
・コウユーココロコロ ・マイネレーツェル ・マルブツイースター ・ミリオンウェーブ ・レッツゴーキリシマ
週刊競馬ブックが休刊となった。1962年に創刊して以来初めてのことになる。本来なら発行日である20日(月曜日)は普段通り自宅で過ごしたが、午前中から携帯電話が鳴りっぱなし。共同通信、読売新聞といった一般マスコミをはじめ、放送局やスポーツ紙からも休刊についての問い合わせが相次いだ。それ以外にも交流のあるJRA関係者や調教師、厩舎関係者からも同様の電話が続き、携帯電話のバッテリーが切れることも一度や二度ではなかった。そして、本社総務部からも読者の方からの電話、メールが殺到しているとの報告が入った。週の仕事始めにあたる水曜日に出社すると机の上には手紙や葉書が積まれており、パソコンを開くとたくさんのメールが届いていた。覚悟していたこととはいえ、反響の大きさに事の重大さを改めて認識することとなった。
「20年以上も週刊競馬ブックを愛読してきましたが、正直、今回の貴社の対応には裏切られた思いです。開催があろうとなかろうと、雑誌が売れようと売れまいと、定期的に出版して競馬に関わる事象を報道する。これが競馬マスコミの使命。今回の休刊はいわば職務放棄であり、ファンを無視したものではないでしょうか」
「レーシングカレンダーとして、そして競馬におけるオピニオンリーダーとして、競馬ブックは他の商業誌とは一線を画す存在のはずです。40年以上も競馬を支えてきたことに誇りを持ち、今後も競馬を守り続けなくてはいけません。手に取って満足してもらえるか否かはそれぞれの読者の判断に任せればいいこと。貴社は貴社として毅然たる編集方針を貫き、どんな状況下でも週刊競馬ブックを発行すべきだと考えます」
送られてきた手紙やメールにはすべて目を通した。鈍器で頭部を殴られるかのような厳しい論調のものもあれば温もりが伝わってくる激励もあったが、すべてを謙虚に受け止めた。日頃から競馬ブックを支持していただいているからこそ送り届けられた意見なのだから。入社して30年以上になるが、短時間にこれだけ多くの読者の声に接したことはない。編集、出版に携わる仕事を続ける限り、今後も常に読者の存在を念頭に置いて日常業務に取り組んでいきたいと考えている。週刊競馬ブックの製本第一号が私の手元に届くのは日曜日の午後8時。いつもは漫然とそれまでの時間を過ごしているが、26日は身の引き締まる思いでこの瞬間を待つことになりそうだ。
競馬ブック編集局員 村上和巳