・アサカディフィート ・コスモバルク ・コンゴウリキシオー ・サンバレンティン ・シャドウゲイト ・ホッコーソレソレー ・メイショウサムソン
・インセンティブガイ ・キングストレイル ・サイレントプライド ・ダンスインザモア ・デアリングハート ・ピカレスクコート
高松宮記念週の木曜日(22日)は目の回る忙しさ。前日の水曜日こそ通常業務をごく普通にこなす一日だったが、木曜日は朝から仕事に追われまくった。普段より1時間半早い午前8時に出社して無人の編集部で原稿書き。まずは16字×80行の高松宮記念増刊号の検討文作成でスタート。各馬のポイントが絞り込めなかったり、まとまりがつかなかったりして悪戦苦闘しながら数時間で終了。読み直すと満足できるレベルには達していなかったが、まずは完成させることが先決と一旦はそれで区切りをつけた。 次に取りかかったのは厩舎取材班が私に送信してきた増刊用の一問一答をまとめる作業。これ自体はそう難易度の高いものではないのだが、誤字脱字があったり微妙に事実関係が間違っていたり。指定行数が合わないものも何件かあって処理にはそれなりに時間がかかった。そうこうしているうちに昼を迎えていた。気がつくと当日版用の厩舎談話が山のように届いており、土曜の特別3レースと高松宮記念のそれをチェック。ひと通り目を通して赤を入れる。これだけでもかなり時間を要した。 急いで食事を済ませて喫煙室で束の間の一服をしているとライターや厩舎取材班から電話が相次いで入った。こんなときに限ってややこしい話が多いから困ったものである。席に戻るとパソコンにメールが数件届いていて、これまた急を要するものばかり。なんとか処理を終えて当日版用の高松宮記念の本文作成に取りかかる。16字×50行で量としては知れているが、最近はメインの担当を若手の坂井直樹(外見は決して若手に見えない奴だが)に任せて楽をしているためか、なかなか思い通りに文がまとまらない。しかも、根がそそっかしいタイプとあって字詰めや形式の間違いを連発。このころになるともう完全に夢遊病者状態になっていた。 悪いときには悪いことが重なるもの。「○○の一問一答と談話がまだ届いてない」との連絡。慌てて美浦のA記者に確認すると「書き終えていざパソコン送信しようとしたら停電で送信不可能に……」とまるで冗談のような話。関連部署に問い合わせると「修復まであと数十分は必要」の返答。こんなときになぜと頭を抱えたが、これもひとえに日頃の私の心がけが悪いから。そう諦めて待つしかなかった。しかし、停電問題が解決してからも談話は一向に届かない。催促すると「あっ、完全に忘れてました」というAの言葉に激しい頭痛に襲われて戦意喪失。 ヘロヘロになりつつ締め切りギリギリに業務を終了。放心状態で喫煙室に座り込んだ瞬間に携帯電話がプルプル。出てみると「週刊誌の桜花賞2週前レポの担当は村上さんでしたよね……」という悪夢のような声。18字×130行ほどの原稿作成を完全に忘れていたのだった。金曜中に書き上げれば済むのだが、短時間で片付けられるものでもない。再度頭を抱え込んでいると今度は“週刊誌の特集原稿、パソコンに送ってあります”というライターからのメールが届く。時間はもう夜8時を回っている。よ〜し、こうなったら今日は徹夜してでも仕事を片付けてやると決心。すぐに近くのコンビニで弁当、歯ブラシ、石鹸、タオルを購入。会社の寮に泊り込むことにした。 日付けが変わる前にはなんとか退社できたが、その直前まで何人かの夜型スタッフが机に向かって仕事をしていた。そして、深夜には深夜型のスタッフがポツポツと出社してくる。早朝は早朝で追い切りが始まる前にほとんどのスタッフが集結するのだから、我が栗東編集局は眠ることがない。変則的な時間に出勤してからは延々と仕事と向かい合っている彼らと比べると、型通りの業務をこなすだけの私の忙しさなどはたかが知れているともいえる。話は戻るが、いくら停電に邪魔されたとはいえ、あの時間帯に原稿を「完全に忘れてました」と漏らしたA記者にはコケた。日頃はソツのない言動で信頼を集めている彼とは思えない珍しいチョンボである。4月1日に中山競馬場へ行く予定を組んでいるから、今回の埋め合わせに、5倍ぐらいの単勝と5点ぐらいで獲れる3連単の万馬券を教えてくれればいい。当日は馬券のアドバイスよろしくな、A記者。
競馬ブック編集局員 村上和巳 ◆競馬道Onlineからのお知らせ◆ このコラムが本になりました。 「トレセン発 馬も泣くほど、イイ話」⇒東邦出版HP