・アルナスライン ・サンツェッペリン ・ショウリュウアクト ・ピサノデイラニ ・マイネルアナハイム ・メイショウレガーロ
・アドマイヤフジ ・オースミグラスワン ・トウカイエリート ・メイショウオウテ
世間が慌しく動き回る年末年始だというのに、例によってなにひとつ生産的な活動はせずひたすら怠惰に過ごした。大掃除も家人任せなら家庭内のことなんかはほったらかし。中元、歳暮の類は贈るのも贈られるのもどちらも大嫌い。だから、そんな習慣がない。年賀の挨拶なんてのも若い頃に渋々経験したが、疲れ切ってしまってすぐにやめた。そうなると正月らしい気分を味わうとしたら年賀状を出すぐらいしかないが、これも所属組織の責任者や上層部にはまず出さない。友人や気心の知れた人間、そして仕事上で交流のある一部の人間だけに制限している。
最近はそんな年賀状さえもいささか苦痛になって虚礼廃止の方向で動いているが、数年に一度だけしか会う機会のない旧友の様子が判ったり、知人のさりげないひと言が妙に嬉しかったりでなかなか踏ん切りがつかずにいる。そして、結局は例年通りの数の年賀状を出し、ほぼ同数が私の元に届いた。
「○○○○○○に続く馬をまたつくりたいと思います」(A氏)
これは馴染みのホースマンの方からいただいた年賀状の最後に添えられた手書きのひと言。一方の私は「第二の○○○○○○、楽しみにしています」と書いて送った。競走馬を育てる人間も外からそれを見守る側の我々も“世界の桧舞台で活躍する馬”の出現を待つ気持ちに変わりはない。
「また美味しい酒を一緒に飲みましょう」(B氏)
馴染みのB騎手からのひと言である。私の方からも「飲みたくなったらいつでも声をかけて」と勧誘の言葉。この人物とも気持ちはひとつだった(笑)。G1を勝った騎手はオーナー、調教師といった関係者と祝杯を挙げるのが一般的。たまにそんなパーティーに参加しないかと声をかけていただくが、晴れがましい場は似合わないからと辞退している。よって、騎手連中と飲むときは彼らからの悩みの相談が多い。そんなときは最初だけ神妙にアドバイスするが、すぐに泥酔してアホなことを喋りまくる。この傾向は今後も変わりそうにない。
「これからも“憧れの不良中年”でいてください」(千葉県・C氏)
ネットのこのコラムをずっと愛読してくださっているという千葉県の競馬ファンの方から届いたメッセージである。私のどこに“憧れ”の要素があるのかと考えてもさっぱり判らないが、まあ、世の中には物好きな方もいらっしゃるということにして一件落着。Cさん、今年もよろしく。
「最近の編集員通信は疲れが見え隠れします。大丈夫ですか?」(奈良県・D氏)
これは携帯サイト・競馬ブックオンラインの会員の方。う〜ん、鋭いかも(苦笑)。というか、もともと瞬発力勝負というよりは、ダラダラ&ヘラヘラと流して生きるタイプの私。年齢とともに気力と体力が衰え、同時に時間的な余裕がなくなっているのもたしか。しかし、疲れに負けず今年いっぱいは頑張るつもりです。
「時がきたら酒でも飲みましょう」(E氏)
もう何年も会う機会がなかった相手のこのひと言には一瞬息が詰まった。詳細については説明しないが“時がきたら”の言葉が切なく響いた。いろいろあったが、また昔のようにグラスを傾けられる日を待ちたい。
年がら年中競馬漬けの生活を続けているのだから当然といえば当然なのだが、手元の年賀状を見直すと現在交流がある相手のほとんどが馬を通じて知り合った人間ばかり。随分長い間競馬を続けてきたものだなと改めて思うが、ファンファーレが鳴り響くとテレビの画面にかぶりついて熱中するのは昔もいまも変わらない。今年も胸が躍るような素晴らしい競馬を見たいものである。
競馬ブック編集局員 村上和巳 ◆競馬道Onlineからのお知らせ◆ このコラムが本になりました。 「トレセン発 馬も泣くほど、イイ話」⇒東邦出版HP