・マチカネキララ ・グレイトジャーニー ・モノポール ・マヤノライジン ・アドマイヤムーン ・エリモハリアー ・ブルートルネード ・ファストタテヤマ
連日猛暑が続く。暑い、とにかく暑い。服装や食生活を工夫したりエアコンを使ったりしてある程度は対策を講じられる人間でもこうなのだから、物言わぬ競走馬たちの暑さとの戦いは想像を絶するものだと思う。厩舎によっては(馬によっては)空調設備のある馬房で快適な夏を過ごしているものもいるようだが、それはごく限られた少数。せいぜい鼻前に氷柱を置き、馬房のなかを扇風機の風が流れるだけというのが現状。寒冷地の動物であるサラブレッドが暑さに強いわけもないのだから、これだけ気温が高くなるとバテる馬が出てくるのも当然。それだけに、秋以降のビッグレースを目標とする馬は避暑も兼ねて北海道で夏場を過ごすことが多い。しかし、地球温暖化が顕著でいまや猛暑は全国的。北海道の牧場でも夏負けする馬が少なくないというのだから驚いてしまう。私は私でビールの飲みすぎで下腹が出てきたが、これもまあいつものことではあるのだが(汗)。 週刊競馬ブックでは例年3回小倉(新潟)4週目に組んでいた『秋を待つスターホース』の特集記事を今年から2週早く掲載することにした。秋競馬の番組がジャパンカップ中心に再編成されて以来、オープン馬の始動がそれまでよりも1カ月ほど早くなったことを考慮してのものだが、同時に永年続けてきた東西対抗のページ割り付けを廃止して、全体を3歳編、古馬編(それぞれ牡馬、牝馬に別けて)の2種類に別けて東西混合記事にした。なぜこんな形にしたかというと理由は単純明快。西高東低の図式がより明確になってきたからである。 今年の上半期のJRAG1を振り返ってみると関西馬が8勝で関東馬が2勝(香港馬1勝)で、関東馬の2勝はキストゥヘヴンの桜花賞とダンスインザムードのヴィクトリアマイルだけ。つまり、関東馬は牝馬限定のG1を2勝するのが精一杯だったということが判る。しかも、今年のダービーなどはフルゲート18頭中の17頭が関西馬で、関東馬はジャリスコライトただ1頭だけという悲惨な状況だった。これだけ格差が生じては特集記事で東西を同ページ数にするのは無理があり、やむなく関西主導でこの企画を進めることとなった。私が競馬をはじめた頃は圧倒的な東高西低時代が続き、G1戦のたびに的中する可能性の低い関西馬の単勝を握り締めて切歯扼腕。夜はいつもヤケ酒を飲んだものだが、あれから30年が経過。関西馬は強くなったが、馬券ヒットで欣喜雀躍という瞬間がないのはいまも変わりない。私の馬券下手は状況に左右されないという現実がなんとも悲しい(涙)。 この特集のセールスポイントはスターホースの近況をファンに紹介することだが、その上で必要なのが各馬の写真。取材班が各馬の居場所を確認し、それをもとにトレセンや競馬場はもちろんのこと北海道や各地の牧場までカメラマンに撮影に出向いてもらった。取材前日に牧場を移動してしまった馬がいたり、体調を崩して秋に間に合いそうにないと写真撮影を辞退する馬もいたり。いろいろあってバタついたが、3歳馬についてはなんとか格好がつくだけの写真が揃ってひと区切りついた。ただ、現状では古馬の写真が不揃い。正味あと1週間でどれだけの古馬が帰厩してくるかだが、短距離路線に使う組以外は大半が今月末か9月に入って帰厩の予定。苦しい戦いになりそうだ。 指定原稿とある程度の写真が揃った段階で、あとは割り付けをセンス良くまとめればOKなのだが、いつもこの欄で愚痴っているように、こと編集や割り付けのセンス皆無といっていい私。金曜日の午後はいつもの当日版の本文原稿(各馬のポイント)担当を外してもらって『秋を待つスターホース』の割り付けに専念したが、これがなんとも悲惨。何度繰り返しても行数計算が合わなかったり、写真と原稿とが違うページにバラバラに飛んでいたり。途中からは組版部のスペシャリストに代行してもらってなんとか処理を終えたが、この間に編集部の自分の机と組版部を11往復(1往復の所要時間が約3分)。ただただウロウロしてひたすら周囲を騒がせているだけで一日が終わった。 この『秋を待つスターホース』の特集は8月14日発売号のカラーページで3歳編を、翌21日号で古馬編を掲載します。関心のある方は是非ご覧ください。なお、写真撮影に協力していただいた各牧場の皆様には心からお礼を申し上げます。そして、暑いなかできちんとポーズを決めてくれたお馬さんたちもご苦労さまでした。
競馬ブック編集局員 村上和巳 ◆競馬道Onlineからのお知らせ◆ このコラムが本になりました。 「トレセン発 馬も泣くほど、イイ話」⇒東邦出版HP