コーナーTOP
CONTENTS
PHOTOパドック
ニュースぷらざ

1週間分の競馬ニュースをピックアップ

編集員通信
競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
久しぶりのトレセン






 

◆久しぶりのトレセン

 19日、朝6時26分に栗東トレセン倉見門に到着。ガードマンに通行証を見せて無事に入場。左右に同じ形をした厩舎がズラッと並ぶなか、サラブレッドたちが馬道を通ってウォーミングアップしている。邪魔をしないよう、馬を驚かせないようにと注意を払いつつ、時速10キロほどのノロノロ運転で駐車場へ。途中の十字路で坂路へ向かう馬たちと遭遇。もちろん馬最優先なので、こちらは一旦停止。その姿が遠去かるのを確認した上で、おもむろに再発進。もちろん、急ブレーキやクラクションは厳禁である。ほどなく記者用の駐車場に到着。車を止めて外へ。このときも周囲の馬たちに気を配り、ドアの開閉には十分に注意。聴覚の鋭い相手なのだから、ドアを強く閉めただけで、その物音に驚いて立ち上がったりするのだ。

 エレベーターで坂路の調教スタンド4階へ上がり、記者席でコーヒーを一杯飲みながら久しぶりに調教を見る。整然と坂路コースに入った競走馬が、黙々とトレーニングに励む。記者席正面がガラス張りになっていて、真正面に坂路のゴールがある。頭を上げる馬、左右にフラつく馬、真っ直ぐ走る馬と千差万別だが、正面から見られると、その違いがよく判る。しかも、記者席には数台のTVモニターがあり、要所、要所をアップの画面で見られる。加えて、入場した各馬の馬名、所属厩舎、走破タイムが瞬時に見られるのだから、馬名ゼッケンなど不要。

 7時20分台後半、記者席がドッとどよめく。若葉Sの主役で桜花賞候補でもあるアドマイヤグルーヴが追い切ったのだ。余裕残しで半哩52秒0、悪くない。体も想像以上に仕上がっている。「これなら久々でも格好をつけそうだな」と独り言を呟きながら記者席から外へ。すると、ちょうど武豊&アドマイヤグルーヴが坂路から厩舎へ引き上げる場面。こちらを見て微笑むユタカの表情から、追い切りの感触が伝わってきた。

 河内洋騎手の姿がなく、安藤勝己騎手が取材陣に囲まれていたトレセン。ナリタトップロードがいた馬房には、私にとっては見慣れない馬の姿があった。時代は刻々と変化している。


競馬ブック編集局員 村上和巳


copyright (C)NEC Interchannel,Ltd./ケイバブック1997-2003