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ビリーヴ嬢の悲運

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◆ビリーヴ嬢の悲運

 先週までこのコラムを担当していた坂本日出男編集局長が退職。今週から私が引き継ぐこととなった。正直なところ、頭が痛い。書くこと自体は嫌いではないが、締め切りというヤツが苦手。しかも、追い込まれると浮き足立ってパニックになる底の浅い性格でもある。この先どうなるか不安だが、まあ、肩ひじ張らずに取り組んでいくつもり。気楽にお付き合い願えれば幸いと思っている。

 さて、7日に2002年度のJRA賞が発表され、年度代表馬シンボリクリスエスを筆頭に、各部門の最優秀馬が決定した。そのなかで意外だったのは最優秀4歳以上牝馬部門。133票を集めて第1位となったダイヤモンドビコーの年間を通した活躍は評価できるが、年間3勝の内訳は、G21勝でG3が2勝。そのすべてが牝馬限定戦だった。一方、109票で2位に敗れたビリーヴは、オープンでは年間2勝(他に条件戦を3勝)しただけだが、G3、G1を連勝。しかも、そのG1は牡馬混合戦だったのだ。冷静に考えてみれば、最優秀4歳以上牝馬にふさわしいのはビリーヴの方だった。

 そのビリーヴが4歳以上牝馬部門で1位に選出されなかったのには理由がある。JRA賞が発表になるや否や、周囲から「古馬の牝馬はビリーヴやったな。ついつい短距離部門に入れてしもた」「そういえば、ビリーヴは牝馬やったな」という声が漏れたもの。なかには「ビリーヴが牝馬だと気づかなかった」(投票権のある知人の関東記者)なんて嘘のような声さえあった。つまり、ビリーヴ=短距離のイメージが強すぎて、ビリーヴ=牝馬という基本的な認識が薄れていたのだ。これが、彼女の悲運だった。その最優秀短距離馬部門でも、第1位のアドマイヤコジーンとは25票差の2位に甘んじたのだから、不運は重なる。

 結果が発表された後で異議を唱えても仕方ないが、投票権を持つ記者諸氏には、きちんとした見識を持って代表馬を決めてほしいとお願いしたい。同時に、悲運に泣いたビリーヴ嬢の今年一年が、昨年以上に素晴らしいものになるように、心から祈っておこう。


競馬ブック編集局員 村上和巳


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