5回阪神の1週目に行われるワールドスーパージョッキーズシリーズの出場者の発表があった。海外招待騎手はともかく、今回話題になったのは河内が推選されたこと。従前通りなら東西のリーディング上位2名と、西の第3位が加えられての計5名。それが勝利度数に関係なく選考委員会において顕著な活躍を認められた者も選出されるという形になったから、本来なら出場可能だった西の3位福永が選に漏れてしまった。
実は昨年、海外へ出張していた武豊が出場者決定の時点でJRA39勝、地方海外5勝、関西ランク11位で上位3名には遠く及ばず選出されなかったことに端を発し、一部マスコミ、ファンから異議が噴出した。武の事情が事情だし、技術的なことに関すれば万人が認める日本のNo.1ジョッキー、それが出られないのはおかしい。日本の代表で駄目なら、海外からの招待という形を取れないものか提案。しかし、結局はそれも既成のルールに適合しないということで見送られたいきさつがある。武はこのシリーズへの参加に大きい意義を感じ、誇りにしていただけに、次年度は自力で出場してみせる、と決意して実質4カ月半の空白がありながら西の第1位で出場権を獲得している。関係各位の想像の枠を大きくはみ出したこの壮挙。
武豊のために(自分勝手にそう思っている)ひとつ空けていた自由枠、河内が調教師試験を受けなければ福永に与えられていたはず。ところが受験したばっかりに河内の方へ回って行った。河内の調教師合格は過去の例からいっても確定的なもので、ジョッキーとしての最後の花道を飾らせたいとの選考委員会の餞であったと推察する。若い福永のことだ、ならば来年は2位以内で無条件で資格を確保しようと一層奮励努力するに違いない。自由枠を設けたことについては賛否両論あるそうだが、個人的には悪くないと考えている。
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