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シンボリクリスエス菊花賞を回避

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◆シンボリクリスエス菊花賞を回避

 24日、シンボリクリスエスは菊花賞へは向かわず、天皇賞へ進むことを藤沢和師が明らかにした。「現在の血統の主流はスピードにあり、3000mを超える距離の好走に以前ほどの価値がなくなった」というのがレース選択の決め手になっている。3歳馬として初めて秋の天皇賞に挑んだのが88年のオグリキャップ(2着)。地方競馬からの移籍馬で、クラシック登録がなかったために菊花賞へは出るに出られなかった裏事情がある。95年にジェニュインが2着した翌年、バブルガムフェローが歴史に残る初勝利を挙げている。この時期になれば、3歳馬でも十分に古馬に太刀打ちできる力が備わってきていることが、年を経る毎に次々と立証されていた。

 菊花賞もやがては英国のセントレジャーと同じ道を辿り、関心度の薄いレースへと凋落して行くのかも知れないが、少なくとも今のところでは、まだ何だかんだといっても春のクラシック路線を歩んだ主力級は、残された1冠に向けて果敢に挑みかけファンを失望させはしなかった。昨年はダービー1〜2着のジャングルポケット、ダンツフレームが出走していたし、00年もアグネスフライト、エアシャカール、トーホウシデン等の上位入線馬が顔を並べていた。3歳最強タニノギムレットが現役を退いた後、菊の主役を踏襲するのは長距離に実績のあるシンボリクリスエスを置いて他にないと考えていただけに、シンボリクリスエスの回避は画竜点睛を欠く菊花賞になるのではなかろうかと、今からもう憂い事になっている。もっとも、その分は1週間後の天皇賞の盛り上げ役を担って埋め合わせ、帳尻はキッチリ合わせるのだろうが……。


編集局長 坂本日出男


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