コーナーTOP
CONTENTS
PHOTOパドック
ニュースぷらざ

1週間分の競馬ニュースをピックアップ

編集員通信
競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
ギムレット引退でてんやわんや

Back Number
成績の見方
調教の見方





 

◆ギムレット引退でてんやわんや

 9月9日発行の週刊競馬ブックの巻末カラーグラフ特集には「芦谷有香のオーナーサロン」を予定しており、タニノギムレットでダービーを勝ち取った谷水雄三氏との対談を8月28日に済まし、原稿の方は早々にでき上がっていた。9月4日、タニノギムレットの管理者松田国英調教師の緊急記者会見があって、左前浅屈腱炎発症の報に接し驚きの消えやらぬ間に、翌日には谷水オーナーから引退の発表が行われた。連続したこの報を受け、人一倍強い衝撃を感じていたのは芦谷有香嬢と週刊誌の編集長三浦剛。原稿を没にしてしまうのは簡単だが、それをすると時間的にページの穴埋めができない。折角の実のある話を傷つけないで誌面に載せることができないものかどうか、オーナーご本人の了承を得るために奔走した結果、急ぎ訂正すべきところは書き直し谷水氏の最終検閲を受けてOKを頂くところまでに漕ぎつけた。

 “芦谷有香様 遅くなりましたが原稿FAXします。よろしくお取計いの程願います。谷水雄三拝”

 届いたFAXの文面は簡潔そのものであったが、出稿の締め切りタイムリミットを念頭に置き、時間的に幾らか余裕を持たせた心配りの利いた早急な対処に、編集者への温かい思いやりを感じられる。文章の最後の数行が、それまでの流れとは違い、いかにも取ってつけたような会話になってしまったのはそのためだった。喜びの内容であっても細部にわたり心遣いを欠かせない編集者、それが仕事といえ、心休まる時のない日々が連綿と続く。どこも同じ因果な稼業です。


編集局長 坂本日出男


copyright (C)NEC Interchannel,Ltd./ケイバブック1997-2002