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地方騎手の中央参戦の道狭まる

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◆地方騎手の中央参戦の道狭まる

 安藤勝己のJRA騎手受験で、地方所属騎手にも移籍のための門戸は広げられた。が、その条件のひとつには、JRAでの年間20勝以上を2回以上収めていることがある。従来通りならその条件を達成できそうなジョッキーは幾人かいる。しかし、3歳以上馬の競走は、円滑な競走馬サイクルの形成を図る観点から、本年度以降秋季競馬において、500万条件では競走の編成がなくなる。因みに、昨秋の4回阪神、4回京都開催での500万以下は毎週1鞍ずつ、ひと開催で4レースが組まれていた。地方馬が収得賞金額から見て最も参戦しやすい条件の500万クラス。そこから締め出しを食らうと、大幅に参戦機会は減少する。

 既にご存知のように地方所属ジョッキーがJRAで騎乗するためには、交流競走に出走する地方馬がいて、特例規程により免許を受けた者に限られる。ハッキリいって、この状態では地方所属騎手が年間20勝以上を上げるのは絶望的。既に権利を確保している安藤勝を除けば、依然として高いハードルが行く手に立ちはだかっていることに変わりない。

 ただ、時節、時世が変われば、おのずと規則の方も実情に鑑み、今回のように手直しがあり得る。7月29日発行の週刊競馬ブック誌上で芦谷有香がJRA競馬学校を取材訪問して、井上校長、鳥海副校長から、騎手養成機関として規則や制度の改革について、忌憚のない意見を拝聴して記事に仕上げている。優勝劣敗は勝負の世界での常。外部から受ける刺激によって、たとえ一部でもレベルの向上が図られるものなら悪いことではない。プロ意識に欠ける者は、その場を去らざるを得ないだろう。


編集局長 坂本日出男


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