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今夏は平常通り坂路調教OK

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◆今夏は平常通り坂路調教OK

 例年、7月になると坂路コースの改修工事が2週間の予定で行われていた。古くなったウッドチップを取り除き、新しいものとの入れ替えや、路床そのものの手直しなど。坂路利用馬は全体の半数近い。工事の期間中はCウッドコースかDウッドコースなどへ分散しており、一時的にそれらのコースは混雑するし、馬場の傷みも激しくなる。今年は全面改修をやめ、6月に入ってから200m単位ぐらいで部分毎のチップの入れ替えを行っている。6月最初の週は、登り坂の出だし200mほどだったからタイム的にはスピードの遅い段階だけに大勢には影響なかったが、2週目に移り12、13日あたりになると、前日の降雨のせいもあって、かなり時計を要する状態へと変化してきている。おそらく来週はもっとかかるようになっていよう。特にラスト1ハロンのタイムは1秒ぐらい余分にかかるのではなかろうか。

 “調教タイムを一律に考えてはいけない”と昔から言い聞かされ続けてきた。調教駆けする馬、しない馬がいるからで、新馬でもいきなり古馬オープン級を楽に凌ぐ時計をマークする者もいる。実戦と稽古は必ずしも一致しない。とはいえ、際立つ時計、該当するクラスらしからぬ好時計が出るのは、少なくともそれ相応の地力を備えているわけだから、そうしたタイプは実戦の駆け引きを身につけるとか、周囲を気にせず走りに集中できるようになると必ず力を発揮してくる。

 要は、各馬に適した調教の量、過程、基準とすべきタイムに照らし合わせ、現在の体調を推し測るわけだから、馬場の改修時などは特に細かな点のチェックを怠れない。今夏は坂路調教馬は調教コースの変更による功罪を詮索しなくて良くなった分、ひと手間省けて助かる。


編集局長 坂本日出男


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