阪神コース
秋競馬が開幕。サマーシリーズの最終戦が行われた1週目は夏競馬の延長の雰囲気があったが、東西でセントライト記念、ローズSのトライアルが行われる2週目は本格的な秋到来を思わせる番組構成となる。 予想・馬券検討は頭の切り替えが大事。岡田繁幸氏の言葉を借りれば「競馬は個性の戦い」であり、先日放送されたグリーンチャンネル特番でジョアン・モレイラ騎手も「競馬場ごとに異なるコースを研究し、知ることが非常に重要」と語っていたが、馬券を買う側もコースの特徴を繰り返し繰り返し頭に叩き込んで、馬の適性に合っている舞台設定かを判断することが大切だと痛感する。このコラムでは、前回の小倉競馬場に続き、阪神競馬場を取り上げ、自分自身も今一度整理して3日間開催に臨みたい。
まずは本番さながらのメンバーとなるローズSが施行される外回りから。 1周は2089.0mで右回りの競馬場で最長であり、新潟競馬場(2223.0m)に次ぎ、東京競馬場(2083.1m)を凌ぐ大きさ。直線473.6mは新潟外回り658.7m、東京525.9mに次ぐ。 1800mは2角のポケットからスタート。1342m地点までほぼ平坦、1342m→1240mで0.8m上がり、3〜4角の1240m→600mはほぼ平坦。4角の600mから190mで1.9m下り、190m→70mで1.8m上がって、あとは平坦となる。大まかに言えばスタートから3角が600m、3〜4角が600mでほぼ平坦、4角からゴールの600mで下って上がるレイアウト。長いバックストレッチ、広い3〜4角を経て、長くて急坂のある直線で追い比べが繰り広げられる。 阪神競馬場改修後の07年以降で、ローズSのレースの上がり3Fが33秒台だったことは07年、12年の2度。07年は1000m通過60秒4のスローペースのなか桜花賞馬ダイワスカーレットが逃げ切り、12年は61秒4の超スローペースのなかオークス馬ジェンティルドンナが2番手からアッサリと勝負を決めた。ただ、全体を通してみれば、あくまでペース、展開次第だが、差し、追い込みが決まっている。週末は雨の可能性もあり、重馬場の08年、13年、16年でもその傾向にあったことは覚えておきたい。
次に5日目メインの仲秋Sが施行される芝内回り1400m。 1周1689.0m。直線356.5m。2角のポケットからスタートし、800m地点まではほぼ平坦。800m→190mで1.6m下り、190m→70mで1.8m上がってあとは平坦という起伏。下って上がるレイアウトから前後半のラップバランスは前傾になることが多く逃げ切りは容易でないが、重馬場の昨年はいわゆる「行った行った」だった。ここ4年は2、1、2、1番枠が優勝しており、開幕前半は内枠か、先行馬を狙うのが得策か。
3日目メインのオークランドRCTが行われるダート1800m。 1周1517.6m、直線352.7m。スタート後と最後に急坂のある形態。スタート後に坂を上り、残り1120mまでほぼ平坦、1120→200mで緩やかに1.6m下り、200m→70mで1.4m上がってあとは平坦となる。基本的には逃げ、先行が好走。ここ2年は平均ペースで差しが決まったが、一昨年の勝ち馬アウォーディーはのちにJpnTを、昨年の勝ち馬ミツバはのちにJpnVを制しているので地力が違ったということだろう。 障害コースは固定障害で、タスキのあるコース。最も大きいのが両面飛びの4号と8号(タスキで回りが替わるため、スタンド側から見て前半は右から、後半は左から飛ぶ)で、幅240cm×高さ145cm。今週行われる阪神ジャンプSでは、スタートして一番最初にこれを飛び、9種類の障害を計12回飛越。最後の直線は芝で置き障害が設置されている。ちなみにこのレース、逃げた馬が4年連続2着しているが、今年は逃げたい馬がおらず、展開が鍵となりそう。
copyright (C) Intergrow Inc./ケイバブック1997-2017