皐月賞を 振り返る
大物牝馬ファンディーナの挑戦で俄然、注目度がアップした先週の皐月賞。私も例年以上に楽しみにしていた。1週前、当週ともに上々の動きを披露していたし、追い切り後の金曜朝も落ち着きがあっていい感じ。この仕上がりならということで、本命は迷うことなくファンディーナ。69年ぶりの快挙達成に期待していた。
本命を打つ人はどれくらいいるのだろう? と新聞の出来上がりを楽しみにしていたが、関西版の上の段(馬柱の馬名横)は思った以上に本命印が並んだ。私の印がある下の段はそうでもなかったが。
そうなると、あとは単勝オッズがどれくらいになるのかが気になるところ。皐月賞は前々日発売があったので金曜の夜にチェックしてみたが、最初に見た段階では1倍台だった。さすがにこれはもう少し上がるだろうとは思っていたが、どうやら世間もファンディーナ本命が多数だったよう。
土曜になるとオッズも上がり、どうやら2.5倍前後で落ち着きそうな雰囲気。これくらいのオッズの単勝にドンといくタイプではないので、よし馬連でいこうと決意し、レース当日を迎えることに。
いつも通り13時からラジオ放送に入り、14時半あたりに馬体重が発表。ファンディーナはマイナス4Kでデビュー以来最低の504K。ただ、牝馬にしてはもともとが大柄な方。何とかセーフだろうと判断した。
そして中山10Rが終了し、手元のモニターには皐月賞のパドックが映される。注目のファンディーナはいくらか気負っている印象。ただ、前走時との比較映像でも大差はなかった。十分力は出し切れると判断し、馬券は予定通り馬連勝負。ただ、ここでちょっと弱気の虫が顔を覗かせ、2〜4番手の印を打った馬のボックス馬連も少々購入することに……。
ファンファーレが鳴っていよいよ発走。スタートも決まってファンディーナはスッと先行。うまく好位のインに収まり、勝負どころの手応えも絶好。あとは追ってどれだけ弾けるかというところだったが……。ご存知の通りそこからはまったく伸びを欠いて7着。そう甘くはなかった。
最終週にもかかわらず異常に時計の速い馬場、フケが出やすいこの時季の牝馬の難しさなど、敗因はいろいろ予想されるが、自分的にはここまでの3戦があまりにも楽過ぎたのかなと考えている。新馬戦で大楽勝した馬の次戦は意外と苦戦を強いられるケースが多いので。
まだ今後のローテーションは発表されていないが、この結果ではさすがにダービー挑戦はないかも。ただ、そうなるとオークスが逆に楽しみ。向こうも土がついてしまったが、ソウルスターリングとの対決というのは、かなりのワクワク感を抱かせてくれる。
ちなみに勝ったアルアインは無印。大不利があったシンザン記念を除けば3戦3勝。勝ってもまったく不思議ではなかった馬だが、松山騎手はまだ中央のGT勝ちがなかっただけに、そんな点からちょっと軽視してしまった。ダービーは今回よりも相当、頭を悩ませることになりそう。
栗東編集局 青木行雄
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