大人の社会見学
社の若手に誘われ、今週の休日は京都方面へ。いずれも酒好きのメンバーということもあり、目指した場所はサントリーの山崎蒸溜所(実は京都ではなく、大阪の端だったりするのだが)。ウイスキーの工場である。まずは地元の駅に朝10時集合。途中で電車が緊急停車したのには肝を冷やしたが、5分ほど止まっただけでひと安心。所要時間1時間弱で山崎へ。
ネットで調べたうどん店で軽く昼食を済ませ、工場到着。見学ツアー開始まではまだ30分以上あったので、ウイスキー館を見学しながら時間を潰す。平日にしてはそこそこのお客さんで賑わっていたが、京都や大阪の観光地と同様で、ここもやはり外国人が多い。ツアーは総勢25名で行われたが、欧米、アジアなどの外国人が2割くらいはいたかも。外国の方は電話の受話器のような翻訳機器を手にしていたが、職員さんも流暢な英語で対応されていた。さすがは大企業。
いよいよツアー開始。仕込・発酵室→蒸溜室という流れで見学を進めていくが、いずれも部屋に入った時の香りが凄い。普段、あまりウイスキーは飲まないが、ふくよかないい香りに包まれて、なかなか心地良かった。以前にビール工場を見学したことがあり、そこでは缶やビンがドーッと流れる感じでダイナミックな動きが目についたが、ウイスキー工場は比較的「静」という印象が強かった。
続いて貯蔵庫へ。樽詰めされたウイスキーを寝かせて熟成させるために保管されているところだが、ズラーッと並べられた樽の姿はまさに圧巻。あえて室内の温度調整はしていないそうで、今の時季はかなりヒンヤリとしていた。樽を置いている場所や高さ、樽の大きさなどでも、その香味は違ってくるそう。ウイスキー造りの奥深さを知らされた。
見学ツアーが終わると、最後はお楽しみの試飲。ちゃんと専用の立派な部屋が用意されており、スクリーンを使って本格的なテイスティングの仕方を教えてくれる。軽いおつまみも出してくれて、もう至れり尽くせり。試飲も含めて全工程の所要時間は80分。このコースは一応有料で参加費1000円となっているが、これはハッキリ言って安いし、値打ちがある。お酒好きの方は一度参加されることを強く勧めたい。決してサントリーの回し者ではないけれど。
工場見学は無事終わったが、まだ夕食を取るには少々早かったので、ぶらりと京都観光を。関西人でありながら一度も行ったことがなかった金閣寺を訪れた。「本当に金色なんだ」というのが率直な感想。周回コースになっていて意外にあっさり見終わったが、世界文化遺産に登録されているに相応しい存在感があった。ただ、ここの外国人率は半端なく、もはや日本人の方が少なかったくらい。ここはどこの国? という気分になった。
夜はこの日のもうひとつのお楽しみ。私の好きな居酒屋探訪家の方がテレビで紹介していた京都・丸太町の立ち飲み店へ。ほぼ開店と同時に行ったため私たちのグループが最初の客だったが、一人また一人とお客が訪れ、17時台にして店はほぼ満席に。京都府庁のそばという立地にしては、若い人ばかりだったのが印象的だった。
最初は店内で飲んでいたが、更にお客が訪れてきたため、途中から場所を店外の作業場のようなところに移動。3月になったとはいえ、日が落ちると結構冷え込むのが京都。ストーブはひとつ用意されていたものの、ジワジワと体が冷えてきた。ただ、こういう時こそ熱燗が非常に美味しい。そこは良かった。
この日は始動した時間も早かったので、程よい時間にお開きとして栗東へ。ほぼ一日がかりだったが、健康的で有意義な一日を過ごすことができた。たまたま先週は馬券の調子も良かったので、流れとしても申し分なかったのだが。
月、火曜でひと言も会話をしなかった…なんてことも最近はありがちだが、このような楽しい休日を過ごせると、水曜からの仕事の活力になる。今週からは舞台が中京に替わってローカル開催も終盤戦。本紙予想を中心に頑張っていきたい。
栗東編集局 青木行雄
copyright (C) Intergrow Inc./ケイバブック1997-2017