『2016.05.25 栗東トレセン通信』
5時55分。馬場開場直後の朝一番。プロフェット(浜中J騎乗)、サトノダイヤモンド(ルメールJ騎乗)がCWに入場。サトノノブレス、プロフェット、サトノダイヤモンドの順で7Fから3頭でスピードに乗っていく。ダイヤモンドは3Fでも先頭から5馬身、2番手から2馬身後ろにいたが、直線で最内に入れ、1Fを過ぎるとグイッと前に出た。この中間は3週続けて7Fから、1頭+プロフェットを追いかける併せ馬。皐月賞までCWでは6F83秒2が最も速いタイムだったのに、81秒台を3本もこなしている。ハードな攻めの調教で、これまでにない負荷がかかっているのは確か。まだ完成途上でも、馬体が雄大で高いポテンシャル。本番で大きな力に変えられるかどうか。
すぐあとにエキストラエンド、ヴァンキッシュラン、フルーキーの3頭併せ。こちらは上がり重点で、先着のヴァンキッシュランで6F88秒4。ゆったりと走り、直線に向いても鞍上が手綱を持ったまま。3頭の真ん中で、1F標で自然に先頭へ。両サイドの馬との距離が近くタイトな間隔のなか、リードを守ってゴールに入る。後肢の蹴りが強く、真後ろから双眼鏡で追いかけるとチップがよく跳ね上がっているのが分かる。
6時09分。スマートオーディン(戸崎J騎乗)がCWに入場。松田国厩舎の7頭の縦列調教。プロクリスを先頭にして2番手でまずは常歩。追い切りはプロクリスを6Fで0秒7追いかける。直線に向いても真後ろの位置。毎日杯、京都新聞杯の時のように併走相手をち切り捨てる派手なパフォーマンスではないが、鞍上は手綱をまったく動かさずに引っ張り切りだった。ゴール際でもまだなお余力があり、タメが利いている。心身ともにいい状態にありそうだ。
6時50分。リオンディーズが単独でCWに入る。馬の少ない時間帯。急がせずゆったりと常歩で半マイル標手前まで4分の3周ほど進み、そこからキャンターに下ろしてスタンド前から向正面へ。一旦、500mの角馬場に戻ると助手からM.デムーロJにバトンタッチして、ハロー明けの7時15分に再びCWに入場して3頭併せ。ドラゴンカップが先頭を行き、続いてシャケトラ。シャケトラのピッタリと後ろにつけて折り合いはつく。1F手前でも2頭の1馬身ほど後ろ。そこから瞬時に反応して最内に進路を取るとスッと先着し、ゴールを過ぎても強いキックで駆け抜けた。ボリュームがあり、なおかつ引き締まったボディ。心身ともにきりきりしたところがなく、緊張感とフレッシュさのバランスの良さを感じる。
7時14分。500mの角馬場にマカヒキが姿を現す。体の面積が広いと言うか、体積が大きいと言うべきか肩、上腕、胸、腹にふくらみがあり、フォトパドックを見比べてもそうだが、皐月賞の時より幅があるように見える。500mの角馬場でシャキシャキと常歩、キャンターをこなし、四肢がよく動いて、適度な気合と活気。僚馬と連れ立ち、坂路に向かったようだ。
◆京都ハイジャンプ有力馬 8時34分、ニホンピロバロンは自由飛越場で飛越の確認。5戦4勝の戦績を誇るが、練習は角馬場の横木を飛ばす基礎から。8時46分にCWへ。普段のイラつきはないが、馬場に入るとカッとした面を見せる。それでも体がどっしりとし、体も大きく使えていいムード。気性の難しさもあって平地1000万で頭打ちだったが、障害で新天地が開けた。
8時38分、11歳馬ルールプロスパーが登場。無駄肉がまったくない。障害を見せて、タスキコースを流してそのまま追い切り。スピードがあり、さらに高さも距離もある飛越はいかにも身体能力の高さを物語る。目一杯に追われてもゴール前の反応が鈍いのは、年齢からくるズブさか。白浜Jがつきっ切りで跨り、22日の坂路でもゴール際で声を出して激励し気合を注入。京都ハイジャンプ3連覇、2歳から11歳までの10年連続勝利の記録がかかる大一番に向けての意気込みが伝わる。
栗東編集局 山田理子
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