『阪神競馬場』
日中はかなり暖かくなってきた栗東地方。桜花賞を翌週に控え、トレセンも赤色のGT特殊ゼッケンを着用した馬が登場。本格的な春がやってきたことを実感する。
最近のパターンだと、阪神の桜は競馬場の外なら大阪杯、コース内の走路脇は桜花賞の週が見頃になるが、さて今年はどうか。先週の時点で花を咲かせていたのは検量室脇にある数本のみ。3月というのに震えながらラジオ放送をしたこともあったように、例年に比べると暖かくなるのが遅かったのかも。木曜以降は気温もグンと上昇するようなので、程よく開花も進み、大阪杯、桜花賞のビッグレースが行われる2週は、いずれもお花見が楽しめそう。
そこで思うのが阪神競馬場の内馬場問題。あそこにファンが立ち入ることができなくなって、もう結構な年月が経過したが、ゴンドラ席から馬場を眺めているとガラーンとしていていかにも淋しい。札幌や函館、先日久しぶりに行った中京では元気に遊ぶ子供たちの姿なんかが見られるだけに、何とか復活してほしいもの。
昨年は確か春の2週間限定で開放。人影はまばらで正直ずっこけ企画になってしまった感もあったが、それはあくまで天候が悪過ぎたため。グルメイベントはすべてそこで開催、昔のように投票窓口も設置すれば、かなりの人が内馬場に足を運んで滞留するはず。
セントウルガーデンとやらも、そこそこの賑わいは見せているのだろうが、スタンドから離れた裏手とあって、もはや競馬場とはまったく違う場所にあるアミューズメント施設といった印象。馬場内に人がいて、シートを敷いて小宴会なんていうシーンが飛び込んでくれば、放送なんかでも逐一その様子をお伝えすることができるのだが……。
また、4コーナー付近も観戦スペースは十分にあるのだが、ターフビジョンがゴール前にしかないため、馬券で勝負しているお客さんは、なかなかあそこで観戦とはいかないだろう。あの直線が短い中山ですら4コーナー付近にもう一基あるのだから、どうにかして設置できないものかと思う。
ということもあって、お客さんが建物の中に入ってしまいがちなのが阪神競馬場の特徴なのかも。そのせいで、上から眺めていると今日も少ないなあ…という印象をいつも抱いてしまう。よほどの悪天候にでもならない限り、今週と来週はそれなりに賑わいそうだが、もっと熱い雰囲気を醸し出せるよう、もう少しハード面での工夫が欲しいもの。
と、ここまでやや苦言ばかり呈してきたが、今年も桜花賞当日のみとはいえ、内馬場を開放するのだとか!! 天気に大きく左右されるイベントなので何とか晴れてほしいものだが、競馬場側もちゃんと盛り上げる努力はしているよう。来年は大阪杯がGTに昇格する可能性もあるようだし、こちらの阪神も一層の超変革を期待したい。
栗東編集局 青木行雄
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