『秋まで待たなかった?スターホース』
冬は木枯らしが吹き荒れ、春の到来とともに花粉が飛散。暖かくなると、うぐいすのさえずりに起こされ、桜はあっという間に咲いて散る。初夏の頃には夜になると蛙の大合唱。梅雨が明けて夏になると蒸し風呂のような暑さ。都会に住んでいるとなかなか味わえないくらい四季の変化を感じさせてくれる美浦。東京でも猛暑日の連続記録が更新されるくらいの暑さでもう辟易していたが、先週あたりはそれもひと段落。と思ったら先日は新潟からの帰路に豪雨に遭遇。まだ、夏の終わりには早いが、青空も恋しくなってしまう。まったく身勝手なものだが、厳しい暑さもあとひと踏ん張りと考えている。
ところで今週発売の小誌では「秋を待つスターホース」の3歳馬部門が掲載されたが、中には秋まで待たなかった馬もいた。16日の関屋記念でひと足早く、戦列に復帰して初の古馬相手で堂々と3着入線を果たしたのがヤングマンパワー。美浦には帰厩せずに涼しい函館で調整されて早くからここを目標に調整されてきた。500Kを大きく超える馬体で緩さもあって名前通りに完成途上の印象があったが、ひと夏越してパワーアップ。流れに乗って運べたようにレースぶりにも進歩のあとがあった。究極の決め手勝負になり最後は切れ負けしてしまったが、時計勝負にも対応できたのは大きな収穫。今後に向けての展望が明るくなったし、同馬が6着だった今年のNHKマイルC組の上位馬、3着ミュゼスルタン、4着アヴニールマルシェ(いずれも新潟記念に出走予定)の戦いぶりの目安にもなるはずだ。
そろそろトンボも飛び始めて秋を実感する日も近いだろうが、残り3週の夏競馬も気を抜かずにしっかり記憶にとどめたい。
美浦編集局 田村明宏
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