『走る距離分かってる?障害編』
予定していたコラムは来週に回します。
今回の東日本大震災、被災された方々に対しては心からお見舞い申し上げます。甚大な被害を伝えるニュースを見るとそれ以上の言葉は見つかりません。
美浦編集部も大きな揺れに襲われました。人的被害が出なかったことは不幸中の幸いですが、宿舎の壁は一部が崩落し、事務所の中は足の踏み場もない状況となりました。気象庁発表だと美浦村は震度4でしたが、隣接する稲敷市は震度6弱。体感では間違いなく後者に近かったと思います。地震で危険を感じ、屋外へ避難したというのは自分にとって初めての経験でした。 また、金曜の午後といえば、その週のトレセン取材を終えたTMの大半が東京、千葉等へ帰宅の途についている時間。都心部を中心とした交通マヒに巻き込まれて家に着いたら午前2時、3時、いわゆる帰宅難民となったTMも出たようです。 勿論、地震直後からライフラインはその機能を失いました。電気も水道も完全にストップ。ありとあらゆる物が散乱した事務所内の復旧作業をしているうちに、徐々に陽が傾き始め、いつしか完全な闇の中に。金曜夜も宿泊予定だった内勤スタッフと居残りのTMにとっては、まさに為す術のない夜が訪れました。 美浦事務所の周辺に限っていえば、地震発生から約8時間で水道と電気が復旧。たったそれだけの時間にもかかわらず、水が出ることの有難さ、電気が通じていることの有難さを痛感させられました。たった8時間程度でもそう感じるのですから、被災地でいまだに不自由な生活を強いられている方々のご苦労は計り知れません。 地震当日の夜のうちに3場すべての開催中止が発表され、翌日は昼まで事務所内の復旧作業。それを大かた済ませてリレーコラムを書き直している間にも、何度となく大きな余震に見舞われました。それでも机に向かって、こうして仕事ができる。これも有難いことだと思わなければいけないのでしょう。
その後、15日になって中山競馬の開催が今月一杯見送られることが決定しましたが、電力、ガソリン等の供給事情、更には、福島第一原発の事故が今以て収束を見ないという現状(16日現在)を鑑みれば、それも当然。やはり、世の中が平和であってこその競馬ですから。
被災された方々が、一日でも早く日常の生活を取り戻せることをお祈りいたします。
栗東編集局 宇土秀顕