・エイムアットビップ ・エムオーウイナー ・カノヤザクラ ・クーヴェルチュール ・サープラスシンガー ・ステキシンスケクン ・ナカヤマパラダイス ・マルブツイースター
2003年1月からこのコラムの担当になって丸5年半が過ぎた。以前は土曜日の夜に酔っ払いながらチンタラと原稿を書いていたが、土曜日の夜といえば1週間の疲れがまともに出る時間帯。なぜこんな時に書く破目になったのかというと、日曜日(夜)がこのコラムの更新日だったから。つまり、日曜の夕方ぐらいに入稿すれば時間的にギリギリ締め切りに間に合うのだが、この時間帯は週刊誌の締め切りとも重なり、とても個人の原稿などに関わってはいられない。それで前日の土曜日に四苦八苦しながら片付けていたが、処理すべき案件が増えてきたことに加えて年々、体力、気力、知力の衰え(3番目は最初からないに等しいが)を実感するようになってきた。生来のなまけ癖があって“明日でも間に合うことは今日するな”がモットーでもある私。締め切りのある仕事はギリギリになって渋々重い腰を上げるのが基本スタンスで、その姿勢は幾つになっても変わらない(汗)。
ところが、一昨年後半あたりから土曜日の夜に原稿を書き上げられなくなってきた。バーボンや焼酎をチビチビやりながらパソコンに向かっていると、気づけば寝込んでしまっている。ならば酒抜きで取り組めばいいのだろうが、花の土曜日にそんなストイックな生活などとても実践できない。これではいかんとその後は日曜日の早朝に起きて原稿を書くスタイルに変えた。これならなんとかなるとの読みだったが、このパターンも長続きしなかった。元来が夜型人間で朝イチは思考力が極端に働かないのである。こんな状態で現場記者として早朝のトレセンで20余年もよく取材を続けられたものだと思うが、まあそれはそれでなんとかなっていたのだから不思議なもの。要はやる気の問題なのだろう(冷や汗)。結局は日曜日の出社後に通常業務と並行して原稿を書く破目となり、これはこれでもう死にかけた。すべては自堕落で計画性のない自分自身が問題なのだが。
そんなこんなで昨年12月からこの原稿の更新日を水曜日に変更した。土日は馬券を的中させて明るく健全に過ごし、原稿は時間がタップリある月火の休日にじっくり取り組む。これぞ理想的スケジュールと当初は悦に入っていたが、このパターンにも大きな落とし穴があった。“1週間の終わりにあたる日曜日に構想を練って月曜日に書き上げ、火曜日に最終校正を済ませる”−描いていた机上のプランは僅か数週にして崩れた。まず土日の馬券の的中率は下降する一方という誤算があった上に、休日にも会議や打ち合わせが少なくない。思ったほど自由に時間が取れないのである。しかも、日曜日は疲れているからと頭を空っぽにしてひたすら酔っ払い、月曜日は月曜日で1日ぐらいは完全休日が必要と原稿作成を放置、火曜日はいまひとつ気分が乗らないといってついついスルー。気がつけば水曜日の出社後に蒼ざめて原稿作成に取りかかっているのが実態。ミスを何度繰り返しても懲りたり悔い改めたりすることのない怠惰なこの人生には自分でもうんざりしている(大汗)。
そして今日(16日)、出社して上半期の開催日程の問題点について書こうかと思ったところで、JRA、出版社、ライターさんからと電話やメールが相次ぎ、それに伴う業務処理が必要になってきた。更に午後からは来客予定があり、勤務終了直後には歯医者の予約まで入っている。つまり、このコラムに割く個人の時間がほとんどなくなってしまっている(涙)。だいたいが、出社後の限られた時間内にデータを集めて適当な原稿をでっち上げようとする基本姿勢そのものに問題があるのだ。やむなく今週はここまでの流れをそのまま文章にして逃げ切る窮余の秘策を考えついたが、こんなことを続けているとまたまた読者の方から『村上手抜きやろ!』とお叱りメールが次々と届きそうな情勢である。その点については素直にして謙虚に反省しつつ、“明日で間に合うことでも、やれることはなるべく今日やる”と自分自身の意識改革に取り組むつもりでいるが、こんな決意表明にまで“なるべく”の文言を入れるようでは改悛の情なしと言われても仕方なさそうだ。
競馬ブック編集局員 村上和巳
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