・アドマイヤジュピタ ・オースミグラスワン ・ダークメッセージ ・トウカイエリート ・トウカイワイルド ・マキハタサイボーグ
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某スポーツ新聞の競馬サイトに週刊競馬ブックの記事が無断転用された。限られた人間しか目にすることができない会員制の有料サイト上での出来事については見逃してしまいがちだが、今回はファンの方から通報していただいたことで事態が発覚した。12月下旬に起こったことだが、こちらが正式な抗議をする前に相手方の責任者が栗東本社へ出向いて全面的に非を認め謝罪。係り合った人間を処分するとともに有料ホームページにお詫びの文章を一定期間掲載することなどでこの件は一応決着した。しかし、周囲からは発覚しているのは氷山の一角で競馬業界ではこの手の無断転用や盗用が日常的に行われているとの声が根強くある。今後もこういったケースが続く可能性があるのかと思うとやりきれない気持ちになる。
以前にこの編集員通信の内容と酷似したコラムがネット上のサイトに載っていると読者の方にメールで知らせていただいたこともあった。現場記者時代に私の身辺で起こったある事件を回顧した原稿だったが、あんな拙文を盗用するとはなんとも物好きな輩がいるものだと思いつつ調べてみると、すでにそのコラムはネット上から消えていた。そのサイトの担当者に問い合わせてみても、「ライターが行方不明で連絡が取れない。当方は一切関知していない」と逃げの一手。結局は内容についての検証もできずにうやむやに時が過ぎてしまった。対象が書籍等の場合なら出版物が形として残っているのだが、ネットの場合は記事を削除してしまえばなにも残らない。そういった点においては難しい時代になってきている気もする。
携帯サイト・競馬ブックオンラインおよび競馬ブックWebに書いていた『推理のキー』の中央場所の担当を今年から降りた。一昨年こそ馬連700倍を当てて年間プラスに持ち込んだものの満足できる予想はほとんどなかったし、昨年一年間の損益はマイナス3万円台と散々。日々の地道な努力を怠っているために個々の馬の個性が判らなくなった自分に限界を感じた。昨年後半あたりになると苦しがって先に出来上がっている競馬ブックの本紙予想を参考にしたり盲点を探ったり。そんな行為は盗用、転用の類いと本質的に変わらない。これでは料金を払って会員になってくださっているファンの皆さんに失礼だと考えて後輩に担当を譲った。
入社2年目から新聞紙面で印を打ち、内勤になってからの5年間もずっと後半4レースの予想をしてきただけに、いざ競馬がはじまると予想ができないことに一抹の寂しさがあった。そんなときに思い出したのが昨年秋に岐阜県のMさんから届いたメール。「編集員通信で弱音ばかり吐いたらあかん。もっと明るくいこう、明るく。どないしても暗くなりそうやったら、気分転換に次週の狙い馬でも書いたらどや?無責任予想でもなんでも構へん。説得力があっておもろそうやったらいつでも乗りまっせ」(なぜか勝手に関西弁に変換している)というのがその主旨だった。よ〜し、クラシックやジーワンでゾクッとくる馬がいたらこの欄で予想でもしてみようかと考えた私。もちろん、予想記事を読んでそれを馬券に反映させるのは無断転用でも盗用でもなんでもない。こんな私の予想でよければ、そして、読んでピタッと意見が合うようなら応援してくれるかな、Mさん。
競馬ブック編集局員 村上和巳
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