・アサカディフィート ・ワンモアチャッター ・ヴィータローザ ・グロリアスウィーク ・イースター ・トウショウシロッコ
・キネティクス ・アグネスラズベリ ・エイシンドーバー ・ペールギュント ・スズカフェニックス ・マルカシェンク ・フサイチリシャール ・サクラメガワンダー
06年の中央競馬が全日程を終了した。ドバイシーマクラシックを颯爽と勝利したハーツクライや激しい叩き合いの末にメルボルンカップを制したデルタブルースの勇姿に歓喜し、凱旋門賞のゴール前で失速するディープインパクトの姿を目撃して虚脱感に襲われた。例によって喜怒哀楽を繰り返しつつ一年が過ぎるのはいつものことなのだが、私が競馬と巡り合ったのが1971年。年齢とともに感情移入の仕方に多少の差は出てくるが、振り返ってみると、こんなふうにして馬に付き合って35年もの歳月を過ごしてきたことになる。
この一年は新たに週刊競馬ブックに執筆していただく人材を探すべく、ジャーナリスト、放送関係者、競馬ライターといったいろんな立場の方にお会いした。もちろん、それぞれが競馬ときちんと向かい合っていらっしゃる方ばかり。ほとんどが初対面とあって彼我の立場の違いを痛感することも少なくなかったが、競馬という“共通語”さえあれば会話は思いのほかスムーズに進むもの。時として脱線して昔話に熱中してしまうこともあったが、それなりにストレートに互いの競馬観をぶつけ合うことができた。
「執筆のご依頼をいただきまして、とても光栄に思っております。一ファンとして愛読していた雑誌に書くことができる気分というのは、武騎手が、それまで雑誌やビデオでしか見たことのなかったアメリカではじめて騎乗したとき『絵本のなかに入り込んだような気分』と言っていたのに、どこか近いような気がします」
上記の文章は12月にある人物からいただいたメールの一部分を抜粋したものである。彼なりの気遣いや社交辞令が含まれているのは当然のことだが、こちらの執筆依頼を快諾してくださったことに対して心から感謝しつつ同時にいろいろ考えさせられた。依然として続く競馬人気の凋落。そんな時代に週刊競馬ブックがどんな役割を果たせるのか、そして今後はどんな方向に進むべきなのかということについて。
年が明けると同時に東西金杯で競馬の幕が切って落とされる。ディープインパクト不在の2007年がどんな年になるのかはまだ判らないが、新たな魅力あるヒーローが出現してこれぞ競馬という迫力のあるレースを見せて欲しい。そして、そんなサラブレッドたちの戦いを通して競馬の愉しさや奥深さといったものをこのコラムで紹介できればいいなと考えている。2007年もよろしくお願いします。
競馬ブック編集局員 村上和巳 ◆競馬道Onlineからのお知らせ◆ このコラムが本になりました。 「トレセン発 馬も泣くほど、イイ話」⇒東邦出版HP