・サンレイジャスパー ・ソリッドプラチナム ・マイネサマンサ ・メイショウバトラー ・ヤマニンシュクル ・ライラプス ・レクレドール
4月30日の天皇賞から6月4日の安田記念。実に6週間にも及ぶ連続G1開催が終了した。週報、当日版、増刊号、携帯サイト、ホームページ関連と延々と繰り返してきたG1特集もなんとか無事に区切りをつけられたが、それにしても長い長い6週間だったというのが実感。
普段は原稿処理に関してはソツのないタイプの橋本篤史が厩舎レポの形式を間違えたり、比較的ミスの少ない海士部彰にも勘違い原稿があったり。みんな疲れ切っていた。そして、最後に決めてくれたのが甲斐弘治。車で乗り合わせて中京競馬場に出向く土曜の朝、会社にバッグを置き忘れたのである。居残りのメンバーが机の上にポツンと置き去りにされた荷物に気づいて慌てて電話を入れると、甲斐車はちょうど名神の栗東インターチェンジの入り口を通過したところ。まだ本線に合流する前だったので何とかギリギリ間に合った。
バッグを持った坂井直樹が素軽いフットワークでインターの通用口に駆けつけてなんとか受け渡しが成立。事なきを得たが、その様子を第三者が眺めていたらまるで誘拐犯に身代金を渡しているかのような風景だったことだろう。普段は軽率さとは無縁の甲斐がこんなミスをするのはまず考えられないこと。疲労が蓄積していればこそだった。バッグには大金が入っていたろうから間に合ってよかったな、甲斐。みんなで大騒ぎしたんだから「いいえ、中身は着替えの衣類だけでした」なんて説明は決して許されんぞ!
私は私でもちろんバテた。この6週間の間の休日(月火)の大半は行事で埋まって身動きが取れなかった。5月22、23日は競馬サークルの知人に相談を持ちかけられて連続ミーティング(飲み会)。29、30日はこのコラムでも紹介したように懇親会があって一泊二日で東京へ出張。そして、6月5日には栗東本社での東西編集会議と続いたため、まさに休日返上。なんでも屋兼便利屋の私が会議の進行係を務めたが、心身ともに疲れ切っていてスムーズに議事を進行できなかったのが悔やまれた。
そして今週になってG1が途切れた。やっとノンビリできそうだと気を緩めた水曜日には読者からのメール、電話が殺到。その合い間にJRAの知人から「週刊誌の原稿内容についてちょっとお話が……」と電話が入り、それが片付いたと思ったら今度は「毎度お騒がせしております。こちらはトリビアの泉の番組制作部の○○といいますが……」と途切れることなく外部からの接触が続き、疲労困憊、満身創痍。すべての思考力を失ってしまった。
ひと区切りついてパソコンのスポーツサイトを漫然と眺めていたら背後から“宝塚記念2週前レポと京都、福島、函館の新馬紹介は誰の担当や?。それと日曜日(11日)は四季報原稿の締め切りだから忘れんようにしてや”との声がかかって、もう完全に茫然自失状態。それからはなにがどうなったか判らないうちに木金が過ぎ去り、現在(土曜の夜)は朦朧とした意識でこの原稿を書いている。というか、ただただ漫然とキーボードを叩いている。
ふと考えてみると今週から夏の北海道シリーズが開幕する。そして、サッカー・ワールドカップの日本VSオーストラリア戦が12日なら会社の定例会議は翌13日。しかも、その13日の会議後には知人のR&Bバンドのライヴが大阪であって、応援に出向くと約束しているのだ。休日返上のこの究極のハードスケジュールを乗り切るのはまさに至難。こうなったら明日(11日)の馬券を当てまくり、12日のサッカーでオーストラリアをボコボコにやつけてもらって気持ちを高揚させるしか手はなさそうだ。英ブックメーカーの開幕前の発表によると単勝(優勝)オッズはブラジルの3.25倍が1番人気で日本は201倍の大穴となっている。優勝しろなんて無理はいわんが、せめて初戦ぐらいはなんとかしてくれよ。頼むぞ、サムライ・ブルー。
競馬ブック編集局員 村上和巳 ◆競馬道Onlineからのお知らせ◆ このコラムが本になりました。 「トレセン発 馬も泣くほど、イイ話」⇒東邦出版HP