コーナーTOP
CONTENTS
PHOTOパドック
ニュースぷらざ

1週間分の競馬ニュースをピックアップ

編集員通信
競馬ブック編集員が気になる事柄にコメント
調教は完全に秋モードへ突入

Back Number
成績の見方
調教の見方





 

◆調教は完全に秋モードへ突入

 週刊誌のブロードキャストコメンテイターのコーナーで、何人かが一様に“いよいよ小倉も最終週を迎えた”と一段落してホッとしたふうな感想を記述していたが、2カ月間は長いようでも終わってみれば短いものだ。またたく間に経過して行ったように感じたのは、彼等との年齢差からくるものかも知れぬ。

 20年以前は、今のように高速道路網は整備、充実してなくて、競走馬の運搬はひと苦労であったから、早目の輸送で、現地滞在が一般的だった。それに伴い、大多数の記者は開催地へ乗り込んで行かないことには仕事にならなかった。函館、札幌の4カ月続く北海道シリーズに比べれば小倉はその半分、まだマシ。それも交通事情が良くなってくると、競走馬は直前入厩が主流になってきた。必然的に取材陣は栗東へ重きを置いた人員配置になる。今や小倉常駐記者は、厩舎取材担当2名、採時担当1名。それ以外は栗東に腰を据える。新幹線を利用すると小倉へは3時間少々で行ける。金曜日の昼過ぎに出発し、日曜日に帰る2泊3日週末出張。食事は自分の好みで選り取り見取り、命の洗濯とまではいわないまでも呪縛から適度に解き放たれて自由な身の細やかな喜びを実感、生気を取り戻し、秋に向けての活力を貯える時期でもある。指定席券の取りにくいお盆の時さえ何とかできれば、あとはほとんど支障のない出張が可能だ。

 ありそうで案外ないのが台風との遭遇。あっても10年に1回ぐらいなもので、ダイヤの乱れにより3時間ばかり待ち惚けを食わされたことがあった。それは災難と諦めるしかなく、自然を相手では苦情の持って行く場所はない。例年に比べると夏負けに罹った馬の情報も少なかったし、平穏なひと夏だったように思うが……。今週あたりは坂路追いの数も2割増しほどの賑わい。秋競馬への突入態勢作りは熱気を帯びてきた。


編集局長 坂本日出男


copyright (C)NEC Interchannel,Ltd./ケイバブック1997-2002