ご存知の通り、宝塚記念で3歳馬ローエングリンが3着に逃げ粘った。他より5キロも軽い負担重量に助けられていたことは否定しないが、それだけでもないだろう。超一流馬も含まれた古馬オープン馬を相手にして正面切って戦いを挑みかけた横山典のペース配分も絶妙で、デザーモをして“予断の許されぬ難敵”と身を固めさせたほど。結果、エアシャカールは3角過ぎから急にモタれ出したこともあってローエングリンを交わし切れないままに終わってしまったものの、デザーモが抜かりなく早目の接近を図ったために、息を入れるタイミングに僅かでも誤算を生じさせられたように思う。
3歳馬がこの時期に2000mを超える距離のG1で(一応)古馬と同等の戦いができるケースは稀であり、あそこまで相手を苦しめれば勝ったにも等しい成果だ。1日前の売布特別を勝ったのが3歳馬のヒシミラクルであった。同レースの1番人気は同年のエアマーティンだったのだから、勝てるだけの材料はあった。それにしても、2着プローサムに5馬身もの差をつける快勝であった。たった2件で、今年の3歳馬のレベルに結論を出してしまうのは早計の謗りを免れないと承知しつつも、尚レベルの高さを主張したい。短距離戦はもとより長距離戦においても割り引いて考える必要はいささかもない。1〜2回もすれば伸びあぐねている状態の古馬陣を、3歳のフレッシュ軍団がことごとく撃破して行くに違いない。小倉戦ともなれば勢いはとどまるところを知らず、手がつけられなくなるシーンすら目に浮かんでくる。
|