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堅いレースも結構おまっせ

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◆堅いレースも結構おまっせ

 登録制のあるレースでは、まず登録することだ。登録がなければ出られない。出なければ勝てるはずがない、当たり前の話だ。クラシックの勝ち馬には抽選で出走が決定して皐月賞を勝ったヤエノムテキや、収得賞金が21頭立て21番目でギリギリ出走できた菊花賞のグリーングラス、18頭立て18番目のスーパークリーク等が綱渡り勝利で有名。

 ヤエノムテキは9番人気、スーパークリークは3番人気。ファンもその辺はしっかりと実力を認めていた。ちなみにグリーングラスは12番人気で単勝5250円もついているが、テンポイント、トウショウボーイと同年であってみれば、それも当然の配当額であろう。

 3歳馬のこの時期は、多分に未知な部分が多いし、成長途上にあって体調も不安定な状況下にある。堅そうに思えるレースでも、実は今年の桜花賞や皐月賞のような馬券的に波乱を呼ぶケースはしばしば生じている。何から何まであの調子で荒れまくられると、ファンの方はたまったものではない。何を頼りに馬券を買えばいいのか、ということになる。不信感を抱かれてしまうと、この種の興行はたちまち廃れてしまう。

 折りも折り、天皇賞は強い馬と、高度の技術を持った騎手が調和よろしく、力の限りをつくしてファンの期待に添う結果を出してくれた。それによって、格式の高いレースともなれば、フロックの入り込める余地の少ないスポーツ性の高い面を持っている事実を、広く世間に訴えかけることができた。ギャンブル面でも、3強の均等3点買いで最低でも3割の利益が上がっている勘定になる。大きいことさえ望まなければ結構楽しめ、道連れの欲も不服はいわなかったろう。

 もっとも、買う買わないは本人が決めるのが賭事の基本。第三者が不必要に口を挟み立ち入ることは厳に慎まねばなるまい。要は堅いレースも適当にあるんですヨ、とピーアールしたかっただけ。


編集局長 坂本日出男


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