編集員通信


“ジャパンCの楽しみな2頭”

 秋の天皇賞1〜2着スペシャルウィークとステイゴールド等第19回ジャパンカップの日本代表馬8頭が決まった。
  エルコンドルパサーは早くから引退声明を出していたし、グラスワンダーも体調不安で戦列離脱、有馬記念に間に合うかどうかといった近況。当初には出走予定のあったデイラミ(BCターフ快勝)までも招待を辞退、現役引退して種牡馬入りするとの報が8日に届いた。
  10月初め凱旋門賞の頃には、かつてない豪華なメンバーになりそうだったのに、日が経つに連れてすっかり小粒化してしまったのは残念。それはそれとして、興味を引くものもある。菊花賞で3強の1角に割り込んで来たラスカルスズカが出走してくる楽しみだ。ある程度能力の限界が見え始めている馬と違い、いまだ底の知れていない点がいい。兄サイレンススズカ(父サンデーサイレンス)とは父が替わり、気性も異なれば脚質も違う。6月にデビューしたのだからまだ5カ月にもならないのにあの走り。武豊が“トボけて走っていた”という札幌戦からすれば“スタートの第1歩目からもう力を抜いて走っている”と蛯名が舌を巻くほどレースというものを覚えており“来年になれば凄い馬になる”と予言したことも即刻訂正の必要な成長ぶりを見せられては、モンジュー相手でも何かやってくれるのではないかと胸が騒ぐ。
  タレント萩本欽一氏所有のアンブラスモアも選ばれた。天皇賞では13番人気。今回も実績からいけば人気薄であろう。他の陣営からも見向きされないかも知れない。逃げ馬は無視されればされるほど有利な戦いが出来る。数字的にみると2分23秒台で走ることが可能だ。前半少し離し加減で行き、中盤でペースダウン。後半の800mに勝負を持ち込んで2分25秒台での決着になるようなら、俄かに勝機が生じる勘定。満更捨てたものではない。負けても失うもののない者ほど強いものはない。


編集局長 坂本日出男



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