編集員通信


“小型馬が走る!!久々でも走る!!”

 来年の天皇賞には、外国産馬が2頭(有資格馬)迄出走を認められることになった。遅れ馳せながら悪くない話だ。
  ところで、いよいよ秋のGIシリーズに突入した。最終12月26日の有馬記念までの10週間、その先陣を承る秋華賞はオースミキャンドル、クルーピアスター、スタートマーチ、スターバイオレット、スーパーアフリートの5頭が除外され、フルゲートの18頭立てにて行われることになった。2勝しかしていないのに実力bPの評判が高いトゥザヴィクトリーが、前哨戦のローズステークスで喫した屈辱的な敗戦の不名誉を、いかにそそぐのかが焦点になろう。唯一のGIホースであるウメノファイバーがオークス以来の実戦でどうなのかも、勝ち馬検討の上で戸惑わされるひとつ。要は仕上がりの状態次第。息の保つデキにさえなっていれば、京都の内回り2000m戦は結構凌ぎ通すことが出来るもので、96年のファビラスラフインが5月のNHKマイルカップ以来であったにもかかわらず、平均的に速いラップを刻む流れに無理なく乗ることができ、テン乗り松永幹とピッタリ呼吸を合わせて、早目、早目に動いて押し切った例がある。ただ、ファビラスとは脚質が異なるので、同じようにいかないおそれはある。
  牡馬と比べれば牝馬は小柄。といえ、410kgから420kg台がGIレースの上位に複数顔を並べるのは珍しい。小型馬の1〜2着は92年の桜花賞で420kgニシノフラワー1着、408kgアドラーブル2着の組み合わせくらいしか思いつかないが……。
  小型をトランジスター○○と言っていたひと昔前の流行語がふと頭に浮かんで来た。久々に小型同士による上位独占がスタンドを沸き立たせないとも限らない。


編集局長 坂本日出男



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