編集員通信


“青芝フック師匠のためになる本”

 青芝フック師匠は、競馬をやり始めて40年になられるそうだ。的中したり外れたり、そのへんはごく一般的。周囲にいるファンと全く同じ。97年から週刊競馬ブックに連載中の「やじ馬でどないじゃ」は、9月12日発行号で136回目を迎えている。そのうちから“競馬人生の泣き笑い百八話”としてピックアップされたものに、軽妙洒脱ほのぼのとした師匠作のイラストと警句やギャグを盛り込んだ色紙(カラー刷り)を挿入した242ページにわたる、肩の凝らない、それでいて結構役に立つ読物にまとめられたものが、9月1日から全国の書店等で発売されている。目次からして思わず吹き出してしまう。カッコの注釈入り。ちょいと拾い読み風に取り上げると、


*TVカメラマンはええなあ
 (のぞきの専門家ですわ)

*パドックだァー!!
 (ここは何を言っても良い所)

*行って来たぞトレセンへ!!
 (トレセンの全貌を公開)

*屈腱炎
 (馬にとっては職業病ですって)
etc  


 馬の病気については競走馬診療所に赴き、獣医師からちゃんと取材した上で原稿にしているわけで、単なる受け狙いのお茶を濁すような安易な文章、内容ではない。時間に追われる身なのに、いい加減にしないところは感服させられる。週刊誌に掲載したものでは字数オーバーするため、半分に短縮している。出来上がりに少しの違和感もないまとめ方は誠に巧みだった。読み捨てるようなものではなく、競馬を続けて行く限りは、蔵書のひとつとして、身の回りに是非置いておきたい貴重な1冊になるように思う。


編集局長  坂本日出男

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