編集員通信


“JRA未発表の上がりタイム”

 8月22日、第2回小倉4日目7R、サラ4歳500万円以下クラスのダート1000m戦でのこと。JRAの計器が故障したため、通常は発表されている各馬の上がり3ハロンに要したタイムが発表されなかった。従って、そのレースの上がりタイムに限り、各社が独自で計時したものを推定タイムとして採用している。既に弊社は、週刊誌の成績欄に「おことわり」を入れて掲載した。ところが、これが他社の発表しているものと殆ど違っていて、最大で0.4秒もの開きのある馬もいたことから、一部のファンより、何でこんなに違うのだろうかの問い合わせがあった。

他社がどのような方法で採時しているのか、同じような専門紙ではあっても、実は取材用の記者席は全く別になっているので知りようがないことから、満足なご返事が出来なかった。採時の方法は3ハロン地点を通過する一群の、先頭と、中間、そして最後尾の馬のタイムを測り、各馬の位置取りを、1馬身0.2秒を目安にして1頭1頭のタイム差を割り出して行く作業をする。通過順とか、前後の間隔の測り方が必ずしも一緒と限らないので、多少の誤差が生じるものだが、ファンの指摘にあった0.4秒となると、約2馬身もの開きになるわけで、幾ら採時の場所が異なるといえ、これはいかにも誤差が大き過ぎる。それぞれ自社のタイムこそ最も事実に近いものとの自負はあるのだが、ファンサイドに立てば、どれを信じてよいのか迷惑な話であろう。

 調教タイムにしても実は同じことで、坂路のみ自動計時によるJRAの発表したものだが、それ以外はすべて各社独自で採時したもの。それ等と同様に考えて戴くしかなさそうだ。


編集局長 坂本日出男

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