編集員通信


条件クラスのハンデ戦不要論

 競馬にはハンデキャップ制がある。GIレースを勝つような強い馬以外にも、勝つチャンスを全馬に与えようというのがハンデキャップレースの主旨である。出走してくる各馬の負担重量に差をつけることで、能力を均等化する手法をとる。

 イギリスでは、18世紀の中頃に入場料をとって観客を集めるスポーツになっている。当時は競馬の大部分がマッチレースであったので、双方の馬主が負担重量等の条件を合意し、はじめてレースが成立している。それがハンデレースの起源。

 その方法が広く一般レースにも応用されるようになったわけだが、現在のJRAでは、収得賞金によってクラス分けされている。500万クラスと900万クラスではかなりはっきりした力量差がある。同一クラスにおいても、デキの善し悪しで、その時点における力の差がないわけではないが、ハンデキャップをつけないとレースとしての面白味がないものになっているとは思えない。
 最上級のオープン級になると、4〜5段階に区分け出来そうなほど上下の差があるから、ハンデ戦も一理はある。ゴールは横一線になって雪崩れ込むハンデ戦の理想は、別定戦でもしばしば見られるわけで、条件クラスのハンデ戦は不要。阪神6日目のやまゆりステークスは、4歳900万以下。ハンデ頭が55kg。最低ハンデで51kg。これで1〜3着は半馬身ずつで、それなりの好勝負になっていても、4着以下は5馬身以上の遅れ。極端だが、わざわざハンデ戦にする必要はなかった。

 強ければドンドン勝ち上がり、弱ければ去って行く、それが勝負の世界の常なので、人が余計な手を加えない方が良いように思える。

編集局長 坂本日出男

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