編集員通信


安勝旋風が巻き起こす騒動?

 地方競馬、笠松所属の安藤勝己騎手が、このところ毎週のように土、日に騎乗している。今ではすっかり中央競馬の色に染まり、騎乗フォームまで芝のスピードに対応して変わってきたように思う。
 とにかく上手だ。テン乗りであっても、とてもそれがハンデと感じないくらい馬との呼吸が合っている。前任者とは違った乗り方もするし、それでちゃんと結果を出すものだから、騎乗依頼が引きも切らぬ状態。
 面白くないのは自分の乗り馬を安藤に持って行かれる形となったジョッキー連。今年6月6日終了時点で依頼を受けた厩舎の延ベ数は50。因みに、武豊は84で、松永幹だと69厩舎。しかし、形がどうであれ、安藤サイドにすれば、JRAの競走規定に則った方法で競走に参加しているわけで、何らやましいところはなく、批判されるのは心外だろう。生活権の侵害になるのかどうか。

 プロの世界なのだから、優れた者がもてはやされ劣る者が忘れられて行くのは宿命であろう。武豊や、ペリエクラスが地方競馬にいても不思議ではないし、それ等が自由に参加出来ることで全体のレベルアップに繋がることなら、ファンの立場に立てば諸手を上げて歓迎するはず。

 聞くところによると、年内参加が確実視されている園田の小牧太も、その機会の訪れを心待ちしているとか。いよいよもってそうなると、ジョッキー間に混乱の生じるのは避けられまい。権限を持っているJRAがしっかり舵取りをしてやらないと、とんだ方向へ脱線して行くおそれがある。杞憂で終われば結構なことなのだが……。

編集局長 坂本日出男

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