編集員通信


“若手が伸びる北海道出張”

 いよいよ今週から函館競馬が開幕する。9月末の札幌3歳Sまでの4カ月ばかりの北海道シリーズがスタートした。数年前迄は、出張記者は4開催を通しで乗り切ったものだが、現在は函館の2開催と、札幌の2開催を分割、出張滞在者の入れ替えを行っている。

 週刊誌を発行していない社だと、2名で賄っているところさえあるくらい。自社の独自性を出そうとする限りは、最低でもその3倍、6名は必要なのだが……。この夏期出張は、若手にとっては非常に意義のあるものになる。
 例えば、北海道だと東西が総数の半々で出張して来ているので、日頃は縁遠い管轄外の多くの調教師、騎手をはじめ厩舎スタッフに接する機会があること。
 取材記者は、まず対象となる人物の顔と名前を覚えるのが基本。さらに、性格まで知っておくことが重要。同時に、相手に覚えて貰うことも大切なこと。腹蔵のないところで話を聞ける関係が出来上がるのもこの期間が多い。

 やはり、“旅先”という一種の解放感が介在していて、食事を共にする機会もしばしば生まれ(たいがい先方さんの奢りで、ゴチになっていることが殆どのようだが……)。アルコールが少しでも入れば、日頃の重い口もつい綻びやすいと言うものだ。時には、情熱の高まりが過ぎたための口論から、関係悪化ということもなくはない。勿論、即刻関係修復に駆けずり回る羽目に。そして、より一層親密になる。雨降って地固まると言うあれだ。

 2年も北海道への出張を経験すると、取材に関しては一人前。裏開催の新潟や福島へ行かされても、関東スタッフと連繋して、万事遺漏なく仕事を遂行出来るようになっている。もっとも、予想は個々の感性が基盤。幾らキャリアを積んでも、その人のスタイルはそうそう変わるものではない。

編集局長 坂本日出男

目次へ戻る

(C) 1999 NEC Interchannel,Ltd./ケイバブック