編集員通信


雪害による輸送遅延の影響

 3月20日午前6時30分頃、名神高速下り線で、大型バス、トラック等6台の追突事故が発生、処理のために一時通行止めになり、馬運車48台のうち8台がその渋滞に巻き込まれたことで、第1Rの発走時間が1時間繰り下げられた。

 通常より2時間ほど余分にかかったぐらいなら、競走馬への影響は殆どないに等しい。丁度同じ日に、中山8日目のスプリングS、東風Sへ出走予定の関西馬14頭が東へ向かっていた。栗東を午前8時57分を皮切りに、最終便10時出発までの6台。12時35分、中央高速諏訪湖付近で雪害による通行止めにあい、一旦R20号線(甲州街道)へ降りた馬運車は、小淵沢ICより再び中央高速に入るなどしてどうにか目的地へ辿り着いた。先行した1〜3号車は11時間23分、後発した3台は13時間を要している。

 スプリングS予定馬で、早目に入厩してこの難を逃れたのがタイクラッシャー(2着)とロサード(10着)だった。勝ったワンダーファングは1号車だったので、例え僅かでも所要時間は短くてすんでいた。東風S予定馬で上位入線のナリタプロテクター(3着)、トゥナンテ(4着)は13時間の組だった。

 時間が長くなれば、その分ストレスは溜まる。特に、淀みなく流れている時に比べると、ノロノロ運転や、信号停止により動いたり止まったりの繰り返しが多ければ多いほどイライラは募るし、疲労も高まる。揺れには弱く、北海道出張時のフェリーでは、船酔いが多数出るそうだ。スプリングS組で、前走比馬体増は早目入厩馬と勝馬ワンダーファング(+10kg)の3頭。延着組はワンダー以外がマイナス体重になっている。東風S出走馬の方も、長期休養明けのヒコーキグモを除けばプラス体重はいない。厳しい輸送状況下でも、体重プラスはダメージが小さかったと受け取ってよいのかも知れない。今後の同様のケースのためにも、気に留めて置きたい出来事だった。

編集局長 坂本日出男

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