編集員通信


ペリエが認めた四位の成長


 ペリエが3カ月の短期免許を受けていながら、残る1カ月の権利を保留して2月一杯でフランスへ帰国する。そして、秋のGIシリーズに再来日し、未消化の1カ月の権利を行使する予定だそうだ。今回は過去4回に比べて勝ち数が少ない。期間の短さもあるが、それ以外に若手ジョッキーの上達を強調している。

筆頭に名指しされたのが四位だった。彼の座右の銘は“不言実行”。サークル内に配っていたオリジナルキャップにも“actionratherthanwards”と刺繍している。世界の頂点に立つペリエに、技術を認めさせたのだから推して知れよう。目新しいところで先の京都記念のエモシオンの勝利。あの難しい馬をよく辛抱して御しきったものと、大向こうを唸らせている。

マチカネフクキタル騎乗の武豊との道中の駆け引きは、当事者でないと分からない激しく厳しいものだったようだ。武豊にすれば、エモシオンさえ潰してしまえば勝ちは転がり込んでくると考えているのだから、当然集中して弱点を攻めて来る。掛かっているのをどうにか宥め、落ち着かせたと思ったところへすかさず並びかけて行き、エモシオンの闘志に火をつけて折り合いを欠くように仕向ける。
四位も、今に始まったことでない武のこの手の攻撃は百も承知、とにかくこの場は凌ぐ以外ないわけで、あせったり怒ったりしていてはみすみす相手の術中に嵌まってしまう。3分3厘迄は防戦にこれ努め、そこを通過し上がり勝負に持ち込むと、前へ位置している利点を生かして押し切ってしまえる計算の下に、早目先頭策で快勝した。ファイター南井が調教師へと身を転じて生じる空白は、心技体共トップジョッキーらしさを備えた四位がきっちり埋めてくれそう。

編集局長 坂本日出男

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