今年もいよいよ大詰め。タイキシャトルはスプリンターズSを、エアグルーヴは有馬記念をラストランに選んで引退します。ちょっと寂しい気はしますが、朝日杯3歳Sを勝ったアドマイヤコジーン、阪神3歳牝馬Sを制したスティンガーの2頭はいかにも大物風。エルコンドルパサー、セイウンスカイ、スペシャルウィーク、ファレノプシスといった4歳の精鋭も無事に新年を迎えられそうです。メジロブライト、シルクジャスティスも巻き返してくるでしょう。平成11年の中央競馬はきっと面白い筈です。 〈ところで皆さん〉。タイキシャトルや、エアグルーヴといった超弩級の馬も、デビューした時は他の馬と横一線。これほどまでに強くなるとは誰にも分からなかった筈です。しかし、これほどの馬、他の馬とはどこか違ったところがあったかも知れません。その辺をデビュー前のコメントで探ってみましょう。
タイキシャトル・「ゲートは速くないがスピードに乗ると桁が違う。直線の長い東京なら慌てずに走れる。性能の違いでアッサリ」
エアグルーヴ・「母譲りの負けん気があり、ゲートも速い。距離が延びてからも楽しみ」
さすがといった感じです。タイキシャトルは並はずれたスピードを、エアグルーヴは根性の良さ、距離適性を見出し、この時点で今の活躍をピタリ当てているのだから、大したものです。ついでと言っては何ですが、上記した4歳精鋭のコメントを紹介しましょう。
エルコンドルパサー・「初戦向きの馬。ウッドで時計も出ているし、走るよ」
セイウンスカイ・「中間ビシビシやって九分通り仕上がった。二の脚が速く初戦向きのタイプだ」
スペシャルウィーク・「攻め時計は申し分ない。これがレースに出れば。癖のない馬だから、大丈夫だと思うよ」
ファレノプシス・「今週はなかなかシャープに伸びた。力は持っていそう」
タイキシャトル、エアグルーヴほどのインパクトはありませんが、不安そうな談話の多い新馬初戦の馬の中では、どの馬も自信は相当なものです。
これらの馬、エアグルーヴが2着だった以外は、すべて初戦勝ちしています。そこでです。これからデビューする新馬で、「コレは」と思わせるデビュー前のコメントで、初戦勝ちした馬に注目してみませんか。昇級して通用する馬かどうか。いい目安になると思うのですが。
(競馬ブック関西デスク・井戸本征彦) |