〈 ところで皆さん 〉
秋の天皇賞の登録を見て、「エーッ」と思いました。たった13頭。3200メートルの春の長距離の天皇賞ならともかく、極端な短距離馬でない限り、ほとんどの一流馬ならこなせる筈の2000メートルで13頭なんだから驚きです。 ザーッとメンバーを見渡してみました。サイレンススズカは当然として、距離がちょっと足りないかなと思えるメジロブライトもいます。出走態勢にあるオープンの強豪はほぼ出揃っているようなんです。なのに、この頭数。何故なんでしょうか。いないんですマル外馬が。このレース、出られないんですマル外馬は。サイレンススズカの圧勝に終わりましたが、エルコンドルパサー、グラスワンダーが出走した毎日王冠は胸ワクワクのレースでした。ここには、その2頭も、関西のミッドナイトベットもいません。 日本シリーズの第4戦で決勝の2ラン場外ホームランをかっ飛ばした西武のマルちゃん(マルチネス選手)、相手の横浜の4番バッターはローズ。サッカーのJリーグのジュビロ磐田には、ドゥンガという世界的な名選手がいます。サッカーと言えば、中田選手が所属しているセリエAでも、外国人選手の出場を3人まで認めているとか。 どんな国でも、他国人には“華”があるように見えるんです。交通、情報の発達で世界が狭くなった今、あらゆる方面でグローバル化が進んでいます。高校を出て、アメリカやヨーロッパへ留学する大学生も増えました。桜花賞、オークス、皐月賞、ダービーといった春のクラシック時点での4歳馬は高校生といったところでしょうか。 ここまでは日本の馬同士の戦いでいいでしょう。ですが、古馬が主になる天皇賞は、マル外に門戸を開いてもいいんじゃないでしょうか。久々を叩いて変わってくるエルコンドルパサーや、グラスワンダーが天皇賞に出れば、もっと“華”のあるレースになるのは間違いありません。 天皇賞は我が国でもっとも古く、権威のあるレース。ジャパンカップのように外国馬の出走を認めよとはいいませんが、せめて秋の天皇賞だけでも、マル外の出走は認めて欲しい。これは、私だけでなく、多くのファンの願いではないでしょうか。 〈ところで皆さん〉。タイキシャトルに勝った唯一の馬・テンザンストームが鞍馬特別に出走して6着に敗れました。残念です。でも、果敢にハナを切って、直線中ばまでは先頭。見せ場は作ってくれました。次こそ、と思っています。今度は今日負けた金額を倍にして馬券を買うつもりです。 (競馬ブック関西デスク・井戸本征彦) |
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