編集員通信


〈 ところで皆さん 〉

 7月18日からの阪神競馬から本格的な夏競馬が始まります。例年なら小倉開催なんですが、小倉は改築工事中。ということで、阪神になった訳ですが、こんな早い時期に、溌溂としていて、一服の清涼剤的な趣のある3歳の新馬戦が見られるのは、近畿圏のファンにとっては大きな楽しみといえそうです。

〈ところで皆さん〉。新馬戦のシルシは何を基準につけられるかご存じですか。すべてが初めての出走ですから、力の比較はできません。(1)攻め馬(2)血統(3)馬体。大まかに言えば、この3つと考えてもらっていいでしょう。(1)の攻め馬は最も重要です。動き、時計。その馬の能力を査定する一番の基準になるのはこれ。トラックマンの“馬を見る目”を試される訳です。(2)の血統も重要ですが、これは新聞に、父、母、兄姉、近親の馬名が載っているのですから、ちょっと血統をかじっている人なら、すぐ分かる筈です。(3)の馬体。これもプロの目が必要かも知れませんが、見るからに腹の大きい馬、馬体の線にキリッとしたところのない馬。この程度は誰にでも分かる筈です。

まっ、こういったこと総てを考慮してシルシがつく訳ですから、新馬戦は、他のレース以上にプロの予想を信じるのが正解かも知れませんが、それでも、自分で穴馬を見つけたい、というのが馬券好きの心理。そこで、私なりの穴馬発見法をお教えします(例によって、外れても責任は取れません)。

発見場所の穴場は(1)の攻め馬のところです。時計の速い馬、動きのシャープな馬、併せ馬をして先着した馬。こんな馬には間違いなく大きなシルシがつきます。私の注目点は併せをした相手馬なんです。同じ新馬同士で併せ馬をして先着しても、相手の力量が分からない訳ですから、先着の正当な価値は計れません。これが、すでにレース経験のある馬なら事情は大きく変わってきます。もし、4歳以上の馬と、それも未勝利馬ではなく、勝ち星を挙げている馬と併せていれば、大発見です。まだヒ弱な3歳馬、しかも、デビュー前とあっては厩舎は絶対に無理はさせません。なのに、古馬と併せる。走る、丈夫と思ったからこそなんです。古馬と併せる、このこと自体が評価できることで、先着しているとなれば、大評価すべきです。新馬の場合、調教欄の時計だけじゃなく、併せ馬の相手に目を光らせてください。

ちなみに、第4回阪神デビュー予定で、古馬と併せて先着している馬は、タヤスキチジツ(山内厩舎)、ナナヨーベル(吉永猛厩舎)、ゼンノケイマ(柳田厩舎)、ダンツバクシンオー(山内厩舎)といったところです。注目してください。

(競馬ブック関西デスク・井戸本征彦)

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