〈 ところで皆さん 〉
6月27日終了時点で、武豊騎手の今年の勝ち星が90勝に達しました。100勝を挙げるのに何年もかかる騎手が多い中、デビュー以来12年目にして通算1500勝が目前。昨年までの11年間、100勝を突破した年が9年。100勝を切ったのは初年度の69勝と5年目の96勝だけ。天才と呼ばれるに相応しい見事な成績です。そんな武騎手だからこそ、馬券の売れ方もビックリさせられるものがたくさんあります。常識的に考えて、到底1番人気になりそうにない馬が断然の1番人気。気の毒としか言いようがありません。もちろん、武騎手のことですから、ファンの期待に応えてくれるケースは何度もありますが、常識的に「1番人気が不思議」と思われる馬でいつもいつも勝ち負けできる訳ではありません。 〈ところで皆さん〉。付け目はここなんです。「豊が乗った危ない1番人気を探せ」。これを簡単に探せればシメシメなんですが、世の中、そう甘くはありません。(1)騎乗馬の力量を把握して、買い、捨てるを決める。これができれば言うことがありませんが、簡単ではありません。(2)武騎手に乗り替わった馬で、前回、あまり人気のなかった馬。これはけっこう脈ありげに映りますが、見込みのない馬を武騎手に依頼するケースは滅多にありません。探すのは比較的容易でも、すぐ捨てるという訳にはいきません。(3)厩舎との相性。私のお勧めはこれです。「今度はいい筈。豊に頼もう」。このケースが多いんです(時々(2)の馬も含まれますが)。そんな時、大事なのが、武騎手が、どの厩舎と相性がいいか、ということなんです。これを知っていて、乗り替わりに注意する。これが「豊が乗った危ない1番人気を探せ」のポイントになりそうです。
これが、今年6月21日までの武豊騎手の勝ち数順の上位10傑です。それぞれの厩舎とも好成績ですが、特注の厩舎は、橋田、田中章ということになりそうです。そして、ダービーを制したスペシャルウィークの白井厩舎(3.1.1.1)連対率0.667にも十分な注意を払ってください。 (競馬ブック関西デスク・井戸本征彦) |
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