編集員通信


〈 ところで皆さん 〉

2 トウショウボーイ
3 テンポイント  3/4馬身
6 グリーングラス 4
4 アイフル    6
1 ホクトボーイ  2
5 クライムカイザー クビ

 これ、昭和52年の宝塚記念の成績なんです。たった6頭立て。1、2着(最下位争いもですが)以外はバラバラの入線。この表だけを見ると、味もソッケもないレースに映りますが、メンバーがとにかく凄いんです。トウショウボーイが前年(昭和51年)の皐月賞馬。テンポイントは52年の春の天皇賞馬。グリーングラスは前年の菊花賞馬。アイフルは前年の秋の天皇賞馬。ホクトボーイは52年の秋の天皇賞馬。クライムカイザーは前年のダービー馬です。これだけの馬が、格下で、ただ出るだけといった感じの馬に邪魔されることなく、思う存分、自分の力を発揮できる。そんなレースは、あとにも先にも、このレースだけと言っても過言ではないでしょう。

正しく、ドリームレースと呼ぶに相応しいレースで、内容も実に見応えのあるものでした。蛇足になりますが、このレースの1番人気はテンポイント。以下、トウショウボーイ、グリーングラス、アイフル、クライムカイザー、ホクトボーイの順でしたが、この時点ではG1馬でなかったホクトボーイの最低人気は仕方のないところでしょうか。

〈ところで皆さん〉。今頃、何故、こんな古い話を持ち出したかと言いますと、今年の宝塚記念が豪華なメンバーになりそうだからなんです。エアグルーヴ(平成8年オークス馬、9年秋の天皇賞馬)、シルクジャスティス(平成9年有馬記念馬)、メジロブライト(平成10年春の天皇賞馬)、マチカネフクキタル(平成9年菊花賞馬)、メジロドーベル(平成9年オークス馬、秋華賞馬)。実にG1馬が5頭も揃うんです。今の時勢ですから、昭和52年のように6頭立てとはいきませんが、久しぶりに暮れのドリームレース・有馬記念に劣らない面白い競馬が見られそうです。お楽しみに。

(競馬ブック関西デスク・井戸本征彦)

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