〈 ところで皆さん 〉
毎週、JRAの広報室から、面白いデータが届きます。今日はその中から、「デビュー戦人気薄から大出世した馬」をご紹介します。 デビュー時から大評判で、GTを勝つ馬はたくさんいます。ナリタブライアン、マヤノトップガンは1番人気。メジロマックイーン、ビワハヤヒデは2番人気でした。期待通りの成長、活躍ということでしょうね。デビュー前に、クラシック候補といわれて断然の1番人気に支持されながら勝てず、下級条件で低迷した馬。こういった馬はすぐに忘れさられてしまいますが、こちらの方はそれこそ数えきれないほどいます。 〈ところで皆さん〉。今週の天皇賞で最有力候補と目され、GT制覇目前のメジロブライトが、デビュー戦で何番人気だったかご存じですか。驚くなかれ、6頭立ての6番人気だったんです。それで見事に勝ったわけですが、単勝配当が何と5890円。5番人気の馬の単勝が1350円だったのですから、いかに人気がなかったか、ご想像いただけると思います。 もうひとつ。この時のブライトの勝ち時計がビックリものなんです。函館の1800bで2分01秒6。誰が見ても、2000bの時計としか思えません。JRAレコードと比べると実に13秒8も遅いんです。ごく普通のレースなら、勝ち馬から1ハロン(200メートル)も離されているような時計なんです。そんな馬がGTを制覇する。愉快じゃないですか。人間の眼の不確かさを証明するとともに、我ら凡人に夢を与えてくれる。今、改めて、メジロブライトという馬はそんな馬なんだなあ、と思います。 ですから、わたくし、天皇賞では、メジロブライトを目一杯応援します。何としても、GT馬になって欲しいんです。ちなみに、デビュー戦最低人気で、GTを制した馬は、昭和55年の菊花賞馬ノースガスト(7頭立て)。昭和59年のエリザベス女王杯馬キョウワサンダー(16頭立て)の2頭だけとのことです。このJRA広報室のめずらしいデータのうちいくつかは、GTレースの時に発売される「競馬ブックGT増刊号」で活用させていただいています。一度ご覧ください。 (競馬ブック関西デスク・井戸本征彦) |
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