〈 ところで皆さん 〉
1998年の中央競馬は、2週の間隔が開いて、新しい年は東西の金杯からスタートします。この金杯、昔から荒れレースとして知られています(昨年は東西とも平穏でしたが)。何故、金杯は荒れるのでしょうか。皆さんがオトソ気分で馬券を買う。ありそうな話です。専門的な見方をすれば、年末は変則調教になって、馬の仕上げが難しい。これもあるでしょう。ですが、荒れる最大の理由はやっぱり“ハンデ戦”でしょう。穴になっているのは、ほとんどの場合、軽ハンデ馬が連に絡んだ時です。調子の善し悪しは勿論ですが、ハンデ戦では、ハンデの有利、不利も大切なファクターです。〈ところで皆さん〉。ハンデはどのようにして決められるかご存じですか。我が国の中央競馬の斤量は、2キロが根幹になっています。牡と牝の差。4歳と古馬の差。みんな2キロなんです。年齢、性別で最初からハンデがついている訳です。それとは別に、実力差を補うためのハンデは、勝った時の斤量が出発点になります(未勝利馬が格上のハンデ戦に出る場合はほとんどが最低の48キロ)が、これも2キロが基準になるようです。たとえば、別定重量でも、ハンデ戦でも、古馬の900万のレースを55キロで勝って、1600万のハンデ戦に登録すると、ほぼ53キロと見て間違いありません。勝った時の斤量より2キロ減、これがスタンダードなハンデです。ただ、57キロで、すごい勝ちっぷりで、500万、900万を連勝した場合、昇級しても1キロしかハンデがもらえず、普通なら55キロのところが56キロのケースもあります。この辺りはハンデキャッパーの裁量です。56キロで重賞を勝てば、次のハンデ戦の重賞は大体1キロ増量されます。勝ち馬と同タイムか、微差の2着の時も1キロ課せられることがあります。レコード勝ちの場合も1キロ重くなるケースがあります。他にもいろいろなケースがあって、ひとつの枠にははめられませんが、一度、今年の金杯は自分でハンデをつけてみてください。“えっ。この馬、何でこんなに軽いの”。そんな馬が見つかればシメたものです。思わぬ穴馬を発見できるかも知れませんよ。 (関西競馬ブックデスク・井戸本征彦) |
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