〈 ところで皆さん 〉

菊花賞は、3000メートルではとてもＴＲのような脚は使えない、“捨て目”で取り上げたマチカネフクキタルの快勝。メンボクありません。〈ところで皆さん〉、話は変わりますが、デビューする新馬の騎手はどのように決まるか御存じですか。どの厩舎でも新馬勝ちは“メデタイ”んです。新馬でも、未勝利でも、１勝は１勝。賞金もそれほどちがいません。なのに、“新馬を勝ちたい”という気持ちは、ただ“メデタイ”だけでなく、部外者には分からない“何か”があるようです。そんなレースですから、手綱を取る騎手にも普通のレース以上に神経をつかいます。牧場関係者の話。入厩してきて初めて跨った時の感触。“走る”という手応えを掴むと、即、“乗れる騎手”、“頼れる騎手”を探します。もちろん、自厩舎の馬には自厩舎の騎手を、という方針を守る厩舎もあります。ですから、すべての馬に当てはまるわけではありませんが、関西なら、武豊、藤田の両ジョッキーに“声”がかかるケースが多いようです。新馬戦は未来のクラシック馬から、一度も勝てずにターフを去って行く馬まで、正に玉石混淆の一戦です。新馬の初戦、人気をする（シルシがつく）のは、良血馬とか、攻めで走った馬。ところが、全部初出走という特殊事情もあって、これが案外アテになりません。それなら、厩舎が“走る”と見込んで、“腕達者”に頼んだ馬の方を。そんな馬は人気するケースが多いのは確かですが、もし人気が薄いようなら絶好の狙い目ですよ。最後に有力馬の“捨て目探し”。エ女王杯のダンスパートナーは探しようがありません。 （関西競馬ブックデスク・井戸本征彦）

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