“21世紀へ向けて…パート2”
ファンの多様なニーズに応え、広範で質の高い販売システムの構築を目指して行く。その為に、ファンの購買行動の分析を行なっている「過去の成功の延長線的な考え方で事業にあたっていなかったか?」「現行のファンサービスがファンや社会一般の意識とギャップがあるのではないか?」「ファンの多様で、流動的な考え方をしっかり把握出来ていなかったのではないか?」等について自省すべき点の多さを痛感しており、そこで具体的な改善点として、投票方法の多様化への短期的な取り組みとして、2002年をメドに(多分桜花賞レースがスタートになるのではないかと思われる)馬番2連勝単式、及び、馬番3連勝複式の導入を図ることになった。3連勝馬券だと18頭立てで816通り、現行の馬連だと153通りだから、単純にみて5倍の配当が予測される。 中期的な取り組みとしては、レースの楽しみ方のバリエーションを更に多様化させ、適用するレースのあり方等に関して、世界各国の実態をも踏まえ、多角的に研究した上で前向きに取り組んで行こうとしている。競馬場やウインズにおける発売レース数の拡充。一部場外施設における発売制限の緩和、「発売、払戻し一体型端末機」の試行的実施など。開催競馬場相互における発売時刻のシフトを基軸に、「薄暮競馬」や「東西相互発売レースの間隔の拡充」について多面的な研究を行ない、その時々の環境に留意のうえ可能なものから実施して行く。祝日及び休日などの開催についても検討するほか、金曜日発売のあり方や、夜間発売などもその対象となっている。 電話投票は使い勝手を一層レベルアップさせて、新しい電話投票サービスについて2001年度から導入する。インターネット投票(パソコン及び携帯電話で投票出来る方式)は、2002年度をメドに導入する。JRAとしては、技術革新の活用、セキュリティ面の安定化、通信インフラの整備に留意しつつ中長期的に充実発展させていく構想。「インターネット決済」や「デビットカード決済」がファンサービスとして実用化し得る可能性についても研究して行く。 馬券購買制限のうち、学生でも20歳以上は自由に買えるような法改正についても、同時にその可能性について研究して行くと発表された。とにかく、ファンの要望が少しづつでも実現されて行くようになったのは喜ばしい事だ。いつ迄もこうとは限らないにしても、ひとつの垣根を取りはずしたのは事実である。 編集局長 坂本日出男
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