編集員通信


“レース名応募と馬券購入は違う”

 ビックリやわ。JRAが9月8日から、ありがとう20世紀名馬キャンペーンとして、懸賞や「20世紀の最終レース名」を公募する宣伝活動を行っている。その中で疑問に思ったのは応募資格。つまり20歳以上(学生、生徒を除く)となっている。ちょっと待ってよ、マジで言ってるのと聞きたくなる。どう決めようと、主催者の勝手だが……。

 確かに、競馬法第28条では、学生、生徒又は未成年者は勝馬投票券を購入し、又は譲り受けてはならないと制限されている。レース名を考えるのと、馬券を購入することとは違うでしょうが。

 今やテレビ、ラジオ、或いはインターネット利用により、居間に座していても競馬に関する血統や成績等の詳細な資料、情報を容易に入手出来る時代だ。専門家はだしの学生や生徒が世の中には溢れ返っている。

 数年前から馬名を公募している「マチカネ」さんの所へは、多い年で1万通を超す応募があった。せめて名付親になって競馬に参加しようという、純粋な気持ちでいる人がいかに多いか。

 兵庫県尼崎市の園田の中学校で保健体育の期末試験に競馬をテーマとした問題2問が出題された。それについて、出題した先生が口頭で注意されたという記事が7月上旬の新聞に載っていた。その問題とは、宝塚記念の勝馬(テイエムオペラオー)を問うものと、米国へ活動の拠点を移した騎手(武豊)を問うものだった。

 この教師は、競馬イコール、ギャンブルというのではなく、もはや一般常識問題として取り上げたようだ。上層部にはそれを受け入れて貰えなかったわけで、教育者においては、競馬のイメージは依然として社会悪がついて回っているという現実を、改めて思い知らされた記事であった。教育の現場での見解に異論を差しはさむ気は毛頭ない。立場、立場でいろいろな考えや意見があろう。

 だが、競馬の主催者JRAが、あたかも競馬は学生、生徒に悪影響を及ぼすと言っているようにしか受け取れない今回の扱い方はおかしんやおまへんか。馬券から離れ、単にスポーツとして、又は「ダビスタ」のようにゲーム感覚で楽しんでいる若者をも否定している事実。“ギャグやったんや”ではすまされないように思うけど。

編集局長 坂本日出男

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