編集員通信


“降級馬にもいろいろあって”

 夏の小倉も前半戦が終わった。
 例年のことだが、降級馬の活躍が目立つ。夏の小倉からクラス分けの基準が5歳以上から4歳以上に替わる。春にオープンだった馬が準オープンに、準オープンだった馬が900万に、900万にいた馬が500万に下がる。重賞の2着で賞金を加算された馬以外はすでに勝っているクラスに戻る訳だ。強いのは当然だろう。ただ、降級馬がすべて勝てるとは限らない。ずっと降級したままで競走生活を終える馬もいる。では、どんな馬が降級してすぐ勝ち負けできて、どんな馬が即勝ち負けできないのか。

(勝ち負けできる降級馬)
 ・降級したクラスを数多く使わずに昇級した馬。
 ・降級する前のクラスで好走例の多い馬。

 今夏の第2回小倉で例を挙げれば、ともに降級2戦目の勝利だが、6日目の900万特別を勝った1番人気のラパシオン(降級前の900万を1戦で卒業。降級直前の上のクラスで、0.6秒差のレースがあって、その前の重賞で0.2秒差)、5日目の900万特別を勝った3番人気のミッキーダンス(同2戦で卒業。同0.7、0.2、0.3秒差)がそれ。

(勝ち負けできない降級馬)
 ・降級したクラス卒業に時間を要した馬。
 ・降級する前のクラスで勝ち負けに加われていなかった馬。

 要するに(勝ち負けできる馬)と逆のタイプの馬。それに、
 ・降級したクラスを勝ち上がった時のレースのレベル、も問題になる。

 こちらの方の例は、3日目の900万特別で4番人気で12着に終わったセフティージャパン(同7戦。同11着)、5日目の500万平場で6番人気13着に終わったスギノメビウス(同6戦。同13、12、8、15、14着)。加えて、セフティージャパンの降級前の900万勝ちが54kmのハンデ戦、スギノメビウスの500万勝ちは5馬身のぶっち切りだったとはいえ、ローカル中京の恵まれたメンバーだった。

 いかにも分析が大ザッパすぎるきらいはあるが、ただ単に降級馬ということで手を出しては痛い目にあいかねない。小倉後半戦の馬券戦術の一助になれば幸いです。

 

編集局長 坂本日出男

 

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